1. 2002年12月1日、中国で国内投資家向けの証券市場を部分的に外国人投資家へ開放する法律が施行され、中国は資本市場の対外開放へ向けた大きな一歩を踏み出した。
2. 今回導入された制度では、適格と認められた外国機関投資家(QFII:Qualified Foreign Institutional Investors)に対して、一定の制限付ではあるが国内向け証券市場へ投資することが解禁される。
3. 中国では国有企業の経営改革を促進するために、外資を積極的に活用することが進められており、今回の制度もそうした一連の施策の一環として位置付けられる。
4. 認可対象機関となるのは比較的大規模な機関に限られており、また、一企業への投資制限が低く抑えられていることや、詳細なレポーティングが投資家やカストディアンに求められるなど、利用しやすさの面では課題も残っている。
5. 中国の資本市場の国際化にとって、投資の窓口を海外に開いたこと自体は大きな一歩であるが、中国の資本市場をより発展させるためには、投資魅力のある上場企業を増やすことや、国有株式の処理といった根本的な問題を解決していくことが今後とも求められよう。
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