1. 米国のシンジケート・ローン市場は、投資適格ローンとレバレッジド・ローンに大別されるが、セカンダリー市場での取引の中核は格付けの低いレバレッジド・ローンであり、売買・市場参加者は急速に増大している。
2. レバレッジド・ローンの貸付残高は、ハイ・イールド債の発行残高を超え、企業金融の手段としても無視できない市場規模となっている。また、流通市場での取引情報や価格指数などの情報が蓄積されることによって、レバレッジド・ローンのリスク・リターン特性や他の資産との相関性を判断することが可能になり、機関投資家から一つのアセットクラスとして認識される可能性がでてきた。
3. 米国でレバレッジド・ローンの取引が拡大したこと、証券市場のプレイヤーがローン取引に参加しはじめたのを契機に市場が急拡大していったことなどは、今後のわが国のシンジケート・ローン市場発展への課題を考える上でも示唆に富む。
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