1. 米国資産運用業界では、アウトソーシングの活用が広がっていると言われている。その背景として、1990年代に見られた投信残高の増大や、近年のITバブル崩壊を主因とする運用会社の収益性の低下などが挙げられる。
2. 伝統的なサービス・プロバイダーであるトランスファー・エージェントやカストディアンは、それぞれ中核ビジネスであるトランスファー・エージェント業務、カストディに加えて、ファンド計理やファンド・アドミニストレーションといった付加価値サービスを提供するようになった。
3. また、運用会社が他の運用会社にアウトソーシング・サービスを提供している事例もあり、各社ともユニークなビジネス・モデルを採用している。
4. 我が国の資産運用業界は、運用会社が外部のサービス・プロバイダーを活用し、インハウスで行う機能を自由に取捨選択できる状況にはない。米国資産運用業界におけるアウトソーシングの事例は、今後、我が国資産運用業界にとって参考になるものと思われる。
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