1. 欧州委員会は2005年7月14日、欧州投資信託市場に関するグリーン・ペーパーを公表した。同ペーパーは、1つのEU加盟国で認可を受ければ、欧州域内市場全域で販売が可能とされている投資信託(UCITS)に焦点をあてている。欧州委員会は現段階ではUCITS体制の抜本的な変更は行わず、現行の体制を機能しやすくすることで、投信市場がさらに発展するための環境を整備する方針にたっている。
2. 2004年末のUCITSファンド数は2万8,830本、投資信託全体に占めるUCITSファンドのシェアは70%を超えるまでに発展しているが、クロス・ボーダーで販売されているUCITSファンドは2003年末現在16.1%にとどまっている現実がある。
3. グリーン・ペーパーは、1)短期的な優先事項、2)中期的な現行体制の機能円滑化、3)長期的な課題の3項目に分かれている。長期的な課題としては、ファンドの効率的なコスト構造の追求や投資者保護の維持といった点が掲げられている。
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