1. 2005年7月13日、ISSはIRRCの議決権行使関連ビジネスを買収する旨を発表した。買収に伴う両組織の再編成により、ISSは従来の議決権行使関連サービスにおけるプレゼンスをより高める一方で、IRRCは企業の責任と社会問題を 対象としたリサーチへの回帰を行なう。
2. ISSは米国における機関投資家の変化に対応し、自らのビジネスを拡大させてきた。近年は国際的な業務展開にも積極的である。対照的に、IRRCは社会的問題の研究を担う一環として、コーポレート・ガバナンスに関する事業を開始した。同社の「非推奨型」の調査は高い評価を得ていたが、近年は苦しい経営が続いていたとされる。
3. ISSは、今後統合の対象とするのはシステムへの依存度が高い事業と、発行体企業向けサービスのみである、と表明している。IRRCにより提供されてきた従来の調査スタイルは今後とも継続される。
4. 議決権行使関連サービスにおける他のプレーヤーとしては、グラス・ルイス、イーガン・ジョーンズなどの名が挙げられるが、ISSに比べれば規模は限定的である。そのため、ISSによる独占的な地位が、過度の発言力に繋がりうる可能性を懸念する向きもある。
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