2004年12月に発表された金融改革プログラムにおいては、今後の金融行政当局の基本的姿勢として、「市場規律を補完する審判の役割に徹すること」とされている。また、バーゼルIIにおいても、市場規律が三つの柱の一つに位置づけられている。一般に、市場メカニズムは、金融機関はもとより、一般の企業や国家の運営を規律付けする役割を果たしている。市場規律が重視される一方で、その限界を指摘する声も強い。確かに市場は失敗しうるが、市場規律のメリットが発揮される姿を目指す姿勢が重要である。市場規律を生かすためには、市場に対する規律付けが必要である。
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