1. 2004年12月23日、米国SECは、アメリカン証券取引所(AMEX)に対する持ち分権をNASDからAMEX会員が共同出資して設立した会社に譲渡することを承認した。これによってAMEXは、NASDの傘下を離れ、会員が持ち分権を保有する組織へと逆戻りすることになった。
2. 今回の変更の背景には、ネットバブルの崩壊やAMEX会員の抵抗などで、AMEXを傘下に収めたNASDの思惑がはずれてしまったという事情がある。
3. 世界的に取引所の株式会社化が進んでいるが、今回のケースは、不振に陥った取引所を建て直すために最も強いイニシアティブを発揮できるのは、取引に参加する会員だということを示している。しかし、会員のほとんどが複数の取引所で重複している日本では、同じような動きは期待しにくいであろう。
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