1. 2005年1月26日、韓国証券取引所、韓国店頭株式市場(通称コスダック)、韓国先物取引所の三市場が合併し、韓国取引所(KRX)が誕生した。同取引所は本社を釜山に置くが、二つの株式市場はソウルの汝矣島にて、先物取引部門は釜山にて、従来通り運営される。
2. 今回の統合の背景には、釜山をアジアの金融センターとする従来からの政治的構想がある。また、韓国証券取引所における上場企業数の減少が続いていることや、コスダックにおいて企業不祥事が相次いでいたことも、統合を促す要因となったと見られる。しかし、統合のメリットとされる取引システムの統合などの具体的な施策は、今後の課題とされたままである。
3. 今回の統合は政治主導により行われた感がある。今後は激化する海外市場との競争を踏まえ、統合のメリットを具体的に示し、中国を中心とする外国企業の上場ニーズに加えて、韓国でプレゼンスが高まりつつある外国人投資家のニーズを捉えていくことが課題となるであろう。
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