1. 2004年に成立した2件の大規模な合併の結果、米国では3大金融グループが形成された。その中で、現在評価を高めつつあるのがバンク・オブ・アメリカ(BAC)である。
2. フリートボストン買収により、米国内で規制上のシェア上限まで預金規模を高めたBACにとっては、内部成長戦略が重要となっている。ルイスCEOの主導で、プロセス改革、顧客満足度改革をテコに、新規顧客の獲得、収益増大を目指すBACの成長戦略は、シンプルながら示唆に富むものである。
3. 特にアフルエント層に対する銀行・投資サービスの統合的な展開は、銀行・証券の垣根が低くなっている日本のリテール金融業界の今後を考える上でも参考になろう。
4. 一方でBACは、最近になって外部成長を志向するM&Aも打ち出しつつある。中国建設銀行の株式取得による中国進出、MBNA買収によるクレジットカード事業の強化である。
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