1. 2005年6月22日、米国のオンライン専業証券会社大手アメリトレードは、TDウォーターハウスを買収することで合意が成立したと発表した。アメリトレードは、TDアメリトレードと改称し、一日当たりの取引件数で業界トップのフィデリティに並ぶことになる。
2. 今回の買収合意の背景には、1990年代後半に急成長を遂げたオンライン証券取引が、2000年のドットコム・バブル崩壊以降、成長の壁に突き当たる中で、規模の利益を実現するための業界再編の気運が高まっているという事情がある。
3. 今回の買収によって、アメリトレードはTDウォーターハウスの店舗網を手に入れ、対面型の投資アドバイス強化を図ることができる。TD側にとっても、アメリトレードにTDブランドを冠し、32%の株式を保有することの戦略的意義は大きい。
4. 日本のオンライン証券取引は、信用取引が中心となっている点で、事業環境が米国とは大きく異なる。しかし、規模拡大を図ろうとする動きもみられ、今後の動向が注目される。
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