1. 米国資産運用業界では、バック・オフィスのみならず、運用についても、必要に応じて外部の資源を活用する動きが活発である。この背景には、手数料の低下圧力や規制強化など、ビジネス環境が厳しくなってきていることが挙げられる。
2. 運用会社が外部の運用アイディアを活用する最も基本的な形態は、自社が得意としない分野へ商品ラインアップを拡充させるためにサブアドバイザーを利用することである。米国でサブアドバイザーを採用する投資信託の資産残高は6,377億ドルとされる。
3. 複数の外部の運用アイディアを組み合わせた運用商品として、マルチ・マネージャー商品がある。投資家の分散投資に対する理解の高まりと運用商品の複雑化を受け、マルチ・マネージャー商品の人気は近年高まっている。
4. 米国では、サブアドバイザーの新たな活用手法として、ファンド・アダプションが注目されている。ファンド・アダプションとは、運用会社が他の運用会社にファンドを売却し、自社はサブアドバイザーとして当該ファンドの運用に特化するというものである。
5. 我が国でも、運用会社のビジネス・ラインの見直しが重要な課題となることが予想される中で、米国におけるサブアドバイザー活用の事例は参考になるものと思われる。
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