1. 米国では2004年9月、トレッドウェイ委員会組織委員会(COSO)により「エンタープライズ・リスク・マネジメント(ERM)の統合的枠組み」(ERMフレームワーク)及び「適用テクニック」が公表された。2003年7月に草案が公開されて以降、1年余りを経てのことだった。
2. ERMは一般に、企業の個々の組織や部門を超えた全社的なリスク管理を意味する。企業行動を規律付ける仕組みの一つであり、コーポレート・ガバナンスと相互に関連し、補完しあう関係とも言える。
3. COSOのERMフレームワークの主たる目的は、近年注目の高まっているERMに関する統一概念の提示にあった。草案に対するコメントでは、例えば「リスク」の定義をめぐって、議論が行われた。
4. COSOのERMフレームワークは、ERMのグローバル・スタンダードとなる可能性も有しており、わが国企業も意識しておく必要があろう。
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