伝統的・標準的ビジネスのコモディティ化は必至
景気回復を背景に、わが国の金融サービス業者の業況は、数年前とは様変わりに好転している。目先は暫しこの楽観が持続する局面となろうが、問題はその後である。過去の負の遺産の処理に奔走せざるをえなかった時期を克服した今日は、中長期的な金融サービス業の行方を見極めつつ、将来への布石をどう打つかが問われる時期と言える。将来は明るいか暗いか、金融サービス業は発展するか縮小するか、といった一般論は意味を持たない。経済全体がアップトレンドであろうがダウントレンドであろうが、勝者と敗者の両方が必ず現れる。ただ変化を見誤れば対応も不適切となり、敗者となる可能性が高まってしまう。そこで本稿では、今後の金融サービス業のトレンドはどのようなものなのか、またそこで勝者となる条件は何かを検討してみる。
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