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資本市場クォータリー 2006年冬号
拡大するシンガポールのプライベートバンキング市場
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浦出 隆行
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- 近年、シンガポールのプライベートバンキング市場への資金流入が増加傾向にある。
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この背景としては、アジア域内の富裕層が拡大してきていることに加え、2005年7月の欧州における貯蓄課税強化や、シンガポールにおける税制面での優遇措置といった要因が考えられる。
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またこうした資金流入を受けて、シンガポールでプライベートバンキング業務を営む金融機関各社の間でも、拠点人員を拡充したり、同市場を戦略拠点と位置づけ、プライベートバンキングの地域本部やグローバル本部を設置する動きなどが見られる。
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シンガポールにおけるプライベートバンキング業務の拡大は、今後も順調な進展を見せるものと予想される。また、同国が注力しているイスラム金融市場整備に伴なう資金の動きなども注目される。
ただその一方で、マネーロンダリングやテロ資金の脅威も拡大していると言われており、同国が今後、どのように国際的な規制・監督上の要請に応えつつ、他国・他市場の資金を吸収してゆくのか、その舵取りが注目される。
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