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資本市場クォータリー 2007年秋号
スウェーデン公的年金のガバナンス
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瀧 俊雄
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- スウェーデン公的年金における賦課方式部分の積立金は、主に四つのファンド(AP基金)により運用されている。これらの基金は、1994年の5党合意に基づき、1999年の年金改革の一環で2001年1月に設立された。
- 基金の理事は、同国財務省により任命される。理事会は、自らが定める運営ガイドラインに基づき業務を担うトップを任命する。基金は、自らの予算を決定することができ、報酬等についても民間と同様の水準を提供することが可能となっている。
- 政府からの独立性に関しては、目下のところ理事の任免を通じた影響力行使は見られないとされるが、制度改正に関して政治介入が行われかけた事例はある。2006年9月にプライベート・エクイティ・ファンドによるボルボの株式取得が行われた際に、当時の首相がAP基金による同社買収などの案を検討したが、採択には至らず、現在に至っている。
- AP基金の運用は、株式の比率が高い状態で開始したため、当初は二桁台の運用損失を出す形でスタートした。その後の運用動向を見ると、06年時点で最も累積リターンの高かったAP2が、最も低かったAP4を1.5%上回る結果となっている。もっとも、分割運用については、ポートフォリオが似通っている、とする指摘もある。
- 基金のポートフォリオが似通っていることや、重複コストの論点もあり、現状での分割運用への評価を行うには時期尚早といえる。一方で、広範な政治的合意に基づく制度改正やその結果としての基金の独立性の強固さについては、わが国で今後、制度改正を議論する場合には、参考になると考えられる。
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