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資本市場クォータリー 2007年秋号
米国アクティビスト・ファンドの実態と資本市場における役割
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岩谷 賢伸
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- 米国では、1990年代後半からアクティビスト・ファンドの活動が盛んになり始め、近年急速に活発になっている。その背景には、ヘッジファンドにより代替戦略として採用されるケースが増えたこと、エンロン・ワールドコム事件以降、会社経営者及び取締役が株主の意見により耳を傾けるようになったことなどがある。
- アクティビスト・ファンドは、一定以上の持分を取得し、投資先に要求・提案を行い実施させることによって、隠れている企業価値を顕在化させようとする。ヘッジファンドの範疇に含められることが多いが、投資アプローチはむしろバイアウト・ファンドに近い。
- アクティビスト・ファンドのターゲット企業には、キャッシュ・リッチ、株価が低迷、コーポレート・ガバナンスの水準が低い、経営陣の質が低い、優良資産を多く持つ、などの特徴がある。それらのターゲット企業に対して、彼らは、レバレッジの拡大や株主還元の強化、支配権・取締役会の議席獲得、コーポレート・ガバナンスの改善、第三者への資産・事業・会社の売却などを要求する。
- アクティビスト・ファンドは、基本的には友好的なアプローチを採ることが多いが、要求が通らない場合は、委任状争奪戦、テイクオーバー、法廷闘争などの敵対的手法も用いる。
- 実証研究によれば、アクティビスト・ファンドによる介入を、株式市場はポジティブに評価する。また、欧米の機関投資家も、企業価値向上のための働きかけを代わりに行ってくれる存在として、アクティビスト・ファンドを概ね好意的に評価している。
- アクティビスト・ファンドには、短期利益追求主義の悪弊を助長するという批判もある一方で、新たなコーポレート・ガバナンスの担い手や、企業価値向上につながる会社の意思決定の媒介役としての役割も期待される。
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