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資本市場クォータリー 2008年秋号
ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレーの 銀行持株会社化と監督規制のあり方
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小立 敬
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- FRBは、2008年9月22日、大手証券グループのゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレーが銀行持株会社に転換するとの申請について承認プロセスが完了したことを公表した。両社の銀行持株会社化はグループ傘下で融資・預金業務を行うILCを銀行に転換し、その持株会社を銀行持株会社とするものである。
- 銀行持株会社化は、米国の信用秩序が動揺する中で流動性リスクに対する万全の備え、さらにはFDICのセーフティネットへの加入という緊急避難的な措置とみられる。一方で、銀行持株会社化によって従来よりも業務の制限を受ける可能性がある。銀行監督規制の下で新たにTierTレバレッジ規制を受けるため、高いレバレッジを前提とした投資銀行業務が成り立たなくなる可能性も否定はできない。将来的に、両社が銀行持株会社の体制を活用していくのか、それとも投資銀行業務に再び特化していくのか経営戦略の岐路が問われることになる。
- 他方、両社が銀行持株会社となることで、SECがCSEプログラムによって行っていた大手証券持株会社の監督対象がなくなった。これは、SECによるCSEプログラムが十分に機能しなかったことを意味する。経営破綻したベア・スターンズのケースでは、SECは同社の高いリスクや問題点を認識していたにもかかわらず、同社に対して適切な対応をとっていなかったことなど、SECの監督上の問題点が明らかになっている。
- 今後、かつての大手証券グループはレバレッジ規制を受けることになる。このため、投資銀行ビジネスが従来のような高いレバレッジを前提とすることが難しくなる可能性がある。また、大手証券持株会社がなくなったといっても銀行持株会社傘下の証券子会社は引き続きSECの監督を受けることになることから、これまで以上にFRBとSECの間の監督上の緊密な連携が求められる。
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