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資本市場クォータリー 2009年夏号
プルーデンス政策の新たな課題を考える
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小立 敬
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- 金融危機の背景には世界的なマクロ・インバランスと証券化市場の拡大があった。複雑化した証券化のエクスポージャーは銀行のオン・オフのバランスシートに残っており、そのことがカウンターパーティ・リスクの不透明さをもたらした。そうした中で金融機関はレバレッジを高めていた。レバレッジを支えたのがレポ取引を始めとする市場調達であった。「市場性を前提とした流動性」(liquidity through marketability)の拡大が、市場流動性の低下に伴って急速にファンディングが不安定化した背景にあると考えられる。
- 2007年8月以降、いくつかのイベントの発生に伴って市場は混乱の度合いを深め、危機が拡大することとなった。今回の金融危機は銀行取り付けという古典的なシステミック・リスクではなく、市場流動性の枯渇という市場型システミック・リスクの性格が強いと考えられる。
- 金融危機によって金融機関の健全性の確保や金融システムの安定性の維持を目的とするプルーデンス政策の問題点が明らかになった。監督当局は個々の金融機関に焦点を当てていたため、金融システムに蓄積したリスクを把握することができなかった。また、市場流動性の低下が生じる事態に対する注意と備えが十分でなかったことが明らかになった。
- 現在、G20の枠組みの下で規制・監督の議論が進んでいる。金融危機が規制強化の強い誘因となっているが、特に自己資本比率規制の強化については、経済が回復すればそれが過剰な規制となり、金融仲介の支障となって経済の効率性を大きく歪めないようにしなければならない。
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