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資本市場クォータリー 2009年冬号
米国リテール証券業における新しいビジネス・モデルの台頭
−金融危機下で実質的な増収増益となったチャールズ・シュワブとRIA−
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沼田 優子
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- 2008年9月15日、米国では金融危機下で巨額の損失を計上した大手証券会社のメリル・リンチが、大手銀行バンク・オブ・アメリカに500億ドル(発表当時)で買収された。買収価格がこの水準に落ち着いた理由の一つには、全米最強と謳われた同社の個人向け営業部隊の付加価値が認められたことがあり、営業担当者には彼らを引き留めるための報酬パッケージも用意された。
- ところが営業担当者の間では、営業効率を高めるために組織してきた「チーム」ごと、「独立」する気運が高まっている。その背景の一つには、より巨大な総合金融グループに飲み込まれて証券会社としての企業文化や営業担当者の個性が希薄化するのであれば、いっそ独立して中立な立場でアドバイスを提供したいと考え始めた営業担当者が少なくないということがある。
- もちろんそのためには、独立後も大手金融機関と遜色のない営業活動を行えることが前提となる。米国では従来からわが国の証券仲介業のモデルとなったディスカウント・ブローカーなどが、金融機関からは完全に独立した立場の個人向け投資顧問業者(Registered Investment Advisor−RIA)などに対し、顧客資産の保護預かりや注文執行、商品供給、情報提供、独立指南といった広い意味での販売支援サービスを提供している。こうした販売支援・カストディ業者の代表であるチャールズ・シュワブは、この金融危機下で実質的な増収・増益となった。また、同社の時価総額はいまや米国証券業界第2位である。
- このように、金融危機の発祥地ウォール街には激震が走っても、地方・郊外ではRIAとなり、物理的にも地域密着型営業が可能となった元営業担当者が大手金融機関並みのサービスを提供して顧客との関係を育んでいけるという構図からは、米国資本市場の厚みが感じられる。
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