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資本市場クォータリー 2010年春号
国際化に向けて動き出した中国人民元の展望と日本の対応
関根 栄一
要約
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  1. 米国のサブプライム・ローン問題に端を発した世界的な金融危機が深刻化する中で、中国政府は、2008年11月に4兆元の景気刺激策を発表し内需拡大に努めた結果、2009年通年で8.7%成長し、世界経済の牽引役を果たした。同時に中国は、人民元の国際化を進め、国際金融・通貨の面でもそのプレゼンスを高めようとしている。
  2. 中国の人民元の国際化の目的は、先ずは周辺国・地域との人民元建て貿易決済を進め、貿易に伴う中国企業の為替変動リスクを回避することに主眼がある。そのために一部の周辺国・地域と人民元建て通貨スワップを締結して、人民元が国外に流れるメカニズムを構築している。加えて、香港に人民元オフショア市場を創設し、香港で人民元建て国債を発行するなど、オフショアでの運用手段の提供にも動いている。
  3. 人民元建て貿易決済は、2009年7月より、上海・広東省(広州、深せん、珠海、東莞)―香港間でスタートした。2009年の人民元建て貿易決済は計409件、35.8億元となった。日本企業にも実績が出始めており、貿易相手先と国内テスト地域が事実上拡大し始めている。今後の人民元建て貿易決済の拡大のシナリオとしては、(1)二国間貿易で中国側が貿易赤字を出しているアジアの国・地域や資源国の間での適用や、(2)人民元建て通貨スワップの拡大が考えられる。
  4. 人民元が最終的に国際化していくためには、人民元の自由交換性の実現と資本取引の自由化が前提であり、そのためには中国国内で流動性が高く厚みのある金融市場・資本市場が形成され、多様な発行者が人民元を調達し、海外投資家も含め人民元建て運用商品に投資できることが重要となる。
  5. 日本(官民)としては、円の国際化の歴史と経験を踏まえ、今後の人民元の国際化に伴うリスクコントロールを兼ねて、中国との金融分野での対話を進めていくべきである。また、東京市場の人民元使用の可能性に向けた準備作業やアジア全体の金融協力を進めていくべきである。この為には日本側の人材育成も重要である。

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