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資本市場クォータリー 2010年春号
欧米で注目されるリファイナンス問題
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関 雄太、井上 武
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- 2007年以降、米国のサブプライム・ローンの問題を発端として全世界に拡大した、戦後最悪とも言われた金融危機は、各国政府、金融当局による迅速かつ大胆な対応により、現在までのところ、落ち着きを取り戻しつつある。一方で、2000年代の半ばのクレジット・バブルが残した爪痕は広範囲にわたっており、正常化へ向けた道程で克服しなければならない問題もまだ多く残っている。
- 米国金融市場においては、CMBS・商業不動産ローンと、バイアウト向けのレバレッジド・ローンにおけるリファイナンス・リスクが注目を集めている。
- 商業不動産ローンでは、クレジット供給が収縮する中で、担保価値の下落とLTV(担保掛目)引き下げの効果により、潜在的には5,000億ドル規模のファンディング・ギャップが存在していると見られる。CMBSは2010-12年と2015-17年の2回、満期スケジュールの集中が予測されている。
- レバレッジド・バイアウト(LBO)向けのローンについては、2014年前後にリファイナンスを迎えるものが多いが、財務制限条項(コベナンツ)の軽減されたローンの普及、条件変更や満期延長などの調整、ハイイールド債の発行市場の復活などから、深刻なリファイナンス・リスクを予想しない見方もある。
- 欧州では、金融危機時に拡大した政府及び中央銀行による金融機関への支援について、エグジットを探る動きが出てきている。そうした中、金融市場では金融機関のリファイナンスに対する警戒が広がっている。
- 英国及びユーロ圏の銀行が市場から調達した資金は、2015年までに合計で4.2兆ドル、その内約半分の2兆ドルが2011年までに満期を迎える。欧州の銀行は、政府及び中央銀行から、債務への保証も含めて合計で2.2兆ドルの資金支援を受けている。政府の保証を受けた債務の償還は、ピークの2012年までに累積で7,000億ドルに達する。
- 各国政府は、多額に積み上がった金融市場へのサポートをどのようにしてスムースに解除していくかという課題に直面している。
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