野村資本市場研究所｜香港金融サービス業の振興を図る中国国務院・李克強副総理のスピーチ

2011年8月17日、香港訪問中の中国国務院・李克強副総理は、大陸－香港間の経済・貿易・金融協力発展フォーラムで、第12次5ヵ年規画（2011～15年）期間中の大陸－香港間の貿易・金融面での協力に関する六つの措置を発表した。
この新政策の中には、香港の資金調達機能の活用、香港と大陸間の人民元還流ルートの整備、香港金融機関の大陸金融市場進出への優遇策、大陸企業・香港企業の共同での海外進出促進、といった香港金融サービス業の振興に直結するものがあり、また広東省への進出を優遇するものが含まれている。
新政策によって、外国金融機関にとって「人民元も扱える」香港活用の意義が再評価されよう。また、このタイミングの李副総理の香港訪問には、2012年秋の第18回党大会に伴う次期総理としてのお披露目の意味もあろう。当面は、点心債起債後の大陸への持ち込み規制の行方が注目される。上海サイドにも今後何らかの動きがあろう。