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野村資本市場クォータリー 2011年春号
規制強化と金融業への中長期的影響
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淵田 康之
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- バーゼルIIIをはじめ、金融危機後の新たな規制の枠組みが相当程度明らかになった。本稿は、これら規制強化が金融業の中長期的な姿にどのような影響をもたらすかを展望するものである。
- 自己資本規制や流動性規制など各種の規制強化の影響としては、短期的には銀行の収益性の低下圧力や資本調達ニーズの高まりなど、財務面への影響が注目されるが、中長期的には銀行がこれらの影響を克服すべく、その姿を変えていく点に注目する必要がある。
- また業務規制や破綻処理制度など、一部の規制は、より直接的に銀行の業務や組織のあり方に変容を迫るものとなっている。
- これら規制は、総じて、銀行に預金(特にリテール預金)、貸出、決済などの伝統的業務に回帰することを促すものとなっている。しかし、そもそもこれら業務の収益性が低いことが、銀行がトレーディングや証券化などの業務を強化した背景にあった。
- 今後、銀行は、強化された規制の枠内でなんらかの新規業務を開拓し、ハイリターンを実現していくことも考えられるが、それが困難とすれば、伝統的業務の枠内で、どれだけ収益性を高められるかが重要となる。従って、シェアの拡大や、さらなるグローバル化がカギとなろう。
- ただし、危機が国境を越えて伝播しにくい組織構造が求められること、また英国やスイスなど、従来の金融センターにおいて規制が過度に厳格になりつつあることなどから、今後のグローバル展開は、これまでとは異なる姿となる可能性がある。
- 以上の結果、先進国の銀行は、シンプルで伝統的で、しかしより大きな姿となっていくことが考えられる。同時に、独立系・非銀行系の金融業者、ファンド業者などのプレゼンスが高まる可能性がある。また新興国の金融業者が、先進国系金融機関を実質支配し、グローバル・メジャー・プレイヤー化することも考えられる。
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