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野村資本市場クォータリー 2011年夏号
リーマンの整然清算が可能だったとするFDIC報告書
淵田 康之
要約
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  1. 2011年4月18日、FDICは、ドッド・フランク法のリビング・ウィルやノンバンクSIFIに対する整然清算の規定があれば、2008年秋のような金融危機を引き起こさず、リーマンを破綻処理することが可能であり、かつ債権を97%も回収可能だったとする報告書を発表した。
  2. 同報告書によれば、ドッド・フランク法では、事前にリゾリューション・プランニングが可能であること、流動性を提供できること、破綻と同時に買い手も発表されること、柔軟な破綻処理が可能であること、といった点で、リーマンに適用された破産法による処理に比べて優れているという。
  3. ドッド・フランク法の下では、2008年3月のベアー・スターンズの危機の後、FDICはリーマンのデューデリジェンスを行い、7月までに会社売却か自力での資本調達ができなければ、破産法かFDIC主導による破綻処理しかないと通告し、8月にはそれまでに準備されたプロセスに従い、リーマンの入札プロセスを開始する。そして9月の破綻発表と同時に、既に決まっている買い手であるバークレイズに、混乱無くリーマンの事業や資産と一部の負債が承継される。
  4. 資産2,100億ドルのうち、400億ドルの損失が発生したと見込まれるが、これは200億ドルのエクイティと150億ドルの劣後債でまず負担され、残り50億ドルが他の債権の毀損分となる。全ての一般無担保債権者がロスを負担するとした場合、回収率は1ドルにつき97セントとなる。現在、破産法での処理が進んでいるが、ここで見込まれている1ドルにつき21セントの回収率よりもはるかに高い回収率である。破産法での処理は、企業再建会社や破産法専門の法律事務所などへの手数料支払いも、2011年2月までで12億ドルと膨大なものとなっている。
  5. 本報告書に対しては、バークレイズへの売却に関する想定が楽観的過ぎるため、ありえないほど高い回収率が示されている、現実には納税者の負担が生じる可能性がある、国際的な協調は困難である、行政が的確に介入できるとは限らない、といった批判が寄せられている。

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