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野村資本市場クォータリー 2011年夏号
中国版バーゼルIIIの公表と中国銀行セクターへの影響
関根 栄一
要約
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  1. 2011年5月3日(火)、中国銀行業監督管理委員会(銀監会)は、同年4月27日付で制定された「中国銀行業の新管理監督基準の実施に関する指導意見」(新基準)を公表した。新基準は、2010年12月16日にバーゼル委員会が公表したバーゼルIIIに対応するもので、「中国版バーゼルIII」と位置づけられるものである。新基準の導入の背景には、銀行の貸出抑制に向けた新たな手段の確保、国際的な発言力の向上、中国の銀行の海外進出に向けた環境整備が仮説として考えられる。
  2. 新基準のポイントは、(1)システム上重要な銀行とそれ以外の銀行との区別、(2)コアTier1、Tier1、Tier2の三分類による自己資本比率計算方法の改善、(3)三分類後の自己資本比率をコアTier1が5%、Tier1が6%、Tier2が8%(Tier1を含む値)と強化、(4)流動性規制の改善、(5)ダイナミックプロビジョニングを導入した貸倒引当規制の強化となっている。また、システム上重要な銀行に対しては、資本サーチャージ1%(暫定)を上乗せするとともに、セルフレスキュー債の発行を認め、破綻処理計画の策定を求めていることが特徴である。
  3. 新基準の達成時期は、システム上重要な銀行は2013年末までに、それ以外の銀行は2016年末までに達成しなければならないとされており、バーゼルIIIの完全適用の2018年末よりも前倒しに設定されていることも特徴である。
  4. 2010年末の中国の商業銀行全体の自己資本比率は12.2%、コア自己資本比率は10.1%となっている。新基準では、コアTier1を5%とバーゼルIIIの4.5%よりも0.5%高く設定し、グローバルな金融規制に一挙にキャッチアップしようとしている。
  5. 銀監会は、新基準の導入に向けて、2011年末までに「商業銀行自己資本比率管理弁法」の改正作業を進める方針である。同時に、銀行に対し、伝統的な業務モデルを堅持することを前提に、ネットバンキング等を使った業務モデルの転換を促す方針である。銀監会は、地方や不動産向け貸付といった中国の銀行セクター固有のリスク管理の強化も図ろうとしており、引続き中国のバーゼルIIIの導入に向けた動きが注目される。

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