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野村資本市場クォータリー 2011年夏号
過去最高を記録したフィデリティの401(k)個人口座平均残高−鍵を握った加入者教育−
野村 亜紀子
要約
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  1. フィデリティ・インベストメンツは、同社が記録管理する401(k)プランの加入者一人当たり口座残高が2011年3月末に74,900ドルに達し、過去最高を記録したと発表した。同社は、確定拠出型年金の記録管理サービス業者の最大手であり、確定拠出型年金向け投資信託運用会社の最大手でもある。
  2. 最大手であるフィデリティの好調は、401(k)プラン業界全体においても、グローバル金融危機後の建て直しが着実に進んできたことを端的に示している。401(k)プランの残高は2010年末に3兆560億ドルに達し、2007年末の2兆9,820億ドルを上回った。米国投信市場は残高の40%が確定拠出型年金経由の資産で占められており、401(k)プラン業界の好調は、投信業界全体にとっても重要である。
  3. フィデリティによると、401(k)プラン個人口座残高増の背景には、同社が積極展開した加入者教育プログラムがあった。同プログラムを採用した401(k)プランでは、401(k)プランの加入率の上昇、加入者の拠出率の上昇、資産配分の改善、引出の低下が観察された。
  4. 自動加入やデフォルト商品による運用など、401(k)プランの「自動化」が既定路線とされる中で、実は地道な加入者教育が個人口座残高増の鍵だったという指摘は興味深い。今後ともこのトレンドが維持されていくのか注目される。

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