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野村資本市場クォータリー 2011年冬号
金融規制改革−次は何か?
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淵田 康之
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- 2011年は、バーゼルIIIなど、昨年導入が決まった新たな金融規制・監督の枠組みを、実行に移すための作業が進む。システム上重要な金融機関(SIFI)の規制や破綻処理制度などに関する政策論議も本格化する。本稿は、これらを巡る昨今の議論を紹介するものである。
- SIFIについては、これを問題視する米英と、一国を代表する競争力ある大手金融機関の存在を是とする大陸欧州の間で、根本的なアプローチの相違がある。SIFIの定義や指定に使われるデータの問題も指摘される。また最近の研究では、金融機関の規模の経済性が顕著に確認されており、規模規制は社会的コストを伴うとの指摘もある。
- 金融機関の破綻処理のあり方については、米国のドッド・フランク法におけるように、行政機関が裁量的に同一順位の債権者を守ったり、守らなかったりする枠組みには批判がある。また破綻時のデリバティブやレポ取引の特別扱いを見直す余地があるとの指摘もある。
- バーゼルIII批判は続いている。特に、市場規律をもっと活用した枠組みとすべきとの意見が、英国当局の幹部からも聞かれる。
- マクロ・プルーデンスへの取り組みも、不十分とされる。これについては、金融政策の役割が重要であるとの指摘がある。特に金融機関の短期債務の拡大への対応が重要となるが、中央銀行による預金準備率操作や預金準備への付利に相当する政策を短期債務全体に適用するほうが、levy(課税)やバーゼルIIIの流動性規制よりも望ましいとの主張がある。この他、デットとエクイティの税制上の扱いを見直すことが、高レバレッジ是正に必要との意見もある。
- 以上のように一連の金融規制改革については、根本的な批判がある分野や、机上のアイデアが相次いでいる段階の分野も多い。金融危機がまだ続いていること、そして個々の規制変化の影響の大きさを踏まえると、拙速な結論に走ることは危険と言えよう。
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