去る2012年9月20日に開催された全国証券大会において、白川方明・日本銀行総裁はその挨拶で、証券業界に対して希望し、期待することの一つとして「新しい産業や創業期の、あるいは再生を目指す企業に対するリスクマネーの供給」を挙げた。白川総裁はまた、リスクマネーの出し手である最終投資家向けに商品開発を行う投資信託業界の役割も重要とし、「日本と欧米諸国を比較した場合、ひとつの大きな違いは厚みのある多様な投資信託商品が存在するかどうか」と指摘した。確かに、例えば、投資信託の残高を対GDP比で見た場合、日本は12%しかなく、米、仏、独、英の78%、54%、46%、39%に比べると大きく見劣りし、決して厚みがあるとは言えないのが現状である。