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野村資本市場クォータリー 2012年夏号
クロスボーダー金融グループの破綻処理−新たなアプローチ−
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淵田 康之
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- リーマン・ショックを契機に、クロスボーダー金融グループの破綻がもたらす混乱を防ぐための取組みが、FSBやバーゼル銀行監督委員会主導で進みつつある。2012年から2013年にかけて、各国の破綻処理制度に対するピア・レビューや、各G-SIFIごとのレゾリューション・プランの策定、レゾルバビリティ・アセスメントが実施される。
- クロスボーダー金融グループの破綻処理制度の整備が遅れていたのは、各国の金融制度や破綻処理制度に相違があることや、損失分担のあり方で合意が困難であったためである。これらの問題を回避できる手法として、最近、米国の当局が提唱するシングル・レシーバーシップのアプローチが注目される。
- このアプローチは、ホーム国当局の主導によりホーム国の持株会社のみ破綻処理し、内外の子会社の重要な機能はそのまま維持するというものである。持株会社の資産と一部の負債は、ブリッジ持株会社に移転され、ベイルインによるリキャピタライゼーションを経て、新会社となる。金融機関の巨大化につながる救済合併は行わない。
- 国際的な金融機関の業界団体であるIIFは、FSB等による取組みに支持を表明しつつ、その実効性を確保する上で、今後、国際条約を締結していくことを提言している。またシングル・レシーバーシップのアプローチについては、米国の大手金融機関のグループ構造には適しているが、金融機関グループ構造には多様性があることに配慮すべきと主張している。
- 米国の大手金融機関の海外業務の8割以上が、英国で行われているが、英国もシングル・レシーバーシップ・アプローチを支持し、米英による具体的な検討が進んでいる。2012年中にも、検討を踏まえた何らかの成果が示されると見られ、注目される。
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