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野村資本市場クォータリー 2013年春号
アジア強化に向かう欧州の証券取引所
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井上 武
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- NYSEユーロネクストを買収するインターコンチネンタル取引所は、欧州部門のユーロネクストの売却を検討しているが、買い手の候補と見られていたドイツ取引所は、事業の拡大先としては欧州ではなくアジア重視を打ち出している。ロンドン取引所も昨年からシンガポール取引所との相互取引を開始し、アジア事業の強化を図っている。
- 金融危機から財政危機、さらにユーロ危機へと危機が複合化、長期化する欧州では、他の地域と比べて株式市場の回復が大きく遅れている。今後予定されている金融取引税の導入や規制強化なども市場に不透明感を与えている。
- 世界の取引所に占める欧州主要市場の時価総額のシェアは2012年末には18%に低下し、2009年以降、アジア(除く日本)の合計を下回っている。売買代金もアジアを下回り、株式新規公開(IPO)や増資の額では欧州主要市場はアジアの半分の規模となっている。
- 欧州の取引所によるアジア企業の上場誘致やアジアの取引所との連携の強化は、低迷する欧州を補うために、今や主要市場に匹敵する規模となったアジア市場の成長を取り込むことが目的である。
- 欧州の取引所におけるアジア事業の強化は、今のところ既存事業の延長による有機的な成長を求める動きが主流である。一方、アジアの証券取引所における金融センターの地位を巡る競争も激しくなってきており、提携を超えたより大きな動きが今後見られる可能性もある。欧州や北米とアジアを跨ぐ「トランスコンチネンタル」、「トランスパシフィック」な統合が見られるのもそう遠い将来ではないかもしれない。
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