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野村資本市場クォータリー 2013年夏号
英国ISAビジネスに見る我が国金融機関への示唆
神山 哲也、田中 健太郎
要約
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  1. 我が国NISAのモデルとなった英国ISAの拡大は、制度改正による利便性の向上に加え、ISAを提供する金融機関がサービスの最適解を絶えず模索してきた結果であると言える。
  2. 英国の金融機関は、課税年度末に向けて、重点的なISAのマーケティングを行う。金融機関各社は、新規顧客の獲得、口座移管等に様々なインセンティブを付するなど、熾烈な競争を繰り広げている。
  3. 英国ISA最大手の一角を占めるハーグリーブス・ランズダウンは、我が国でいう独立系オンライン証券会社に当たるが、投資家に提供する情報コンテンツやコールセンター対応の充実など、低コストにプラス・アルファの価値を加えることで差別化を図っている。
  4. ISAで利用される同社のオンライン・サービスでは、4種類のファンド選択ツールが提供されており、投資家の金融商品に対する理解度に応じて自らのリスク許容度に応じたファンドないしポートフォリオに誘導される仕組みになっている。
  5. 小口資金が多数集まるISAでは、低コスト化と付加価値提供のバランスを取ることが重要となる。我が国の場合、長期的なNISAの定着・顧客獲得という観点から、口座を開設する投資未経験者に如何にアドバイスを提供するかが金融機関の課題となるのではないか。

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