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野村資本市場クォータリー 2013年夏号
中国の銀行理財商品に対する規制強化・改革の動き
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関根 栄一
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- 近年、「中国版シャドーバンキング(影の銀行)」の存在が、海外・中国国内の市場関係者の注目を集めているが、銀行が組成・販売する集団投資スキームである銀行理財商品が含まれることで関係者の認識は一致している。
- 銀行理財商品の発行残高は、2012年末時点で7兆元前後の規模となっている。銀行理財商品は、法令上、元本保証型と元本非保証型とに分類され、国内外の様々な資産を組み合わせて投資を行うことが可能である。
- 銀行理財商品に対する法的枠組みは2005年から整備され始めた。2008年の世界的金融危機以降は、投資範囲の明確化や、理財商品を通じた信託貸付や販売活動・リスク管理に対する規制強化が行われた。
- 銀行理財商品については、預貸比率規制(75%)や貸出総量規制の回避のため、2010年以降、資産・負債ともに銀行のバランスシートに計上されない元本非保証型理財商品の発行比率が上昇し始めた実態がある。その後、金融当局の規制強化により、銀行理財商品の満期の短期化の傾向に歯止めがかかる一方で、投資分野ではポートフォリオ型商品の発行比率が上昇してきている。
- 中国人民銀行は、期間の異なる多くの理財商品を連続して販売することを通じて、多様な資産に投資する銀行理財商品の「資金プール」を問題視しており、投資収益が一商品単独では確定困難、調達と運用の期間のミスマッチ、資産・負債の二重のオフバランス化等の問題を指摘している。中国銀行業監督管理委員会は、銀行による違法な販売行為や規制の回避を問題視している。
- 一方、銀行理財業務がこの数年間で急速に発達した背景には、銀行融資や直接金融以外のルートを実体経済が模索したことと、規制金利の下でインフレヘッジに有効な自由金利型の金融商品を求めた投資家の存在がある。このため、銀行理財商品の様々な課題は、金融・資本市場改革を更に進める中で発展的に解決していく必要があろう。
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