リーマンショックから4年余、ドッド・フランク法の成立から2年半が経過した。金融危機の元凶を作った米国において金融システムを立て直すことは、米国だけの問題ではなく、世界経済全体の課題であったが、その進捗状況はいかほどであろうか。米国法律事務所の計算によれば、年初時点で、ドッド・フランク法が求める398の規則のうち34%が最終規則化され、33%は規則案が提案済み、残りの32%がまだ規則案すら公表されていない。1年前、最終規則が全体の22%に過ぎず、40%が規則案すら未策定であったことを踏まえれば、この1年の間に一定の進展はあった。また、昨年12月以降に、これまで作業の遅れが懸念されてきたモーゲージ関連の最終規則や本号に掲載した外国銀行組織への規則案も相次いで公表されている。ドッド・フランク法とは別に、IPO市場の規制緩和を進める新規産業活性化法(通称、JOBS法)に関連する規則策定も進展している。