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野村資本市場クォータリー 2013年冬号
米英当局が明らかにした金融機関の破綻処理戦略−シングル・ポイント・オブ・エントリー・アプローチ−
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小立 敬
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- 米国連邦預金保険公社(FDIC)と英国イングランド銀行(BOE)は、2012年12月10日、米国および英国のG-SIFIの破綻処理戦略を提示する共同文書を公表した。米国および英国それぞれの破綻処理戦略は、グループの最終親会社や持株会社を対象に破綻処理措置を講じ、その株主や債権者の損失負担の下に業務子会社のオペレーションを継続するアプローチである。
- 米国の破綻処理戦略(シングル・レシーバーシップ)では、レシーバーシップの下に置かれた親持株会社のエクイティ、無担保債務は元本削減され、重要な子会社のオペレーションを継続するブリッジ金融持株会社の資本増強を図るため、元本削減後に残った債務の一部はブリッジ金融持株会社のエクイティに転換される。
- 一方、英国の破綻処理戦略(トップダウン・アプローチ)では、トラスティの管理下に置かれた親会社、持株会社の資本再構築のために、そのエクイティおよび債務証券にはベイルインが適用され、債務の一部は親会社等のエクイティに転換される。米国、英国いずれの破綻処理戦略も適用の仕方に違いはあるが、G-SIFIの破綻処理ツールとして国際的に注目されるベイルインを活用するスキームである。
- もっとも、共同文書では、破綻処理戦略について明らかではない点も残されている。例えば、破綻処理の期間の長さやベイルインを適用する際のデリバティブやレポの扱いは明らかにされていない。一方で、グループ最上位の親会社、持株会社がベイルイン可能な債務を十分に保有するよう規制を設けることが想定されており、かかる規制が導入されればグループの調達構造に大きな影響を与える可能性が考えられる。
- 現在、金融審議会に設置された「金融システム安定等に資する銀行規制等の在り方に関するワーキング・グループ」において、グローバルな金融危機の経験を踏まえた金融機関の破綻処理制度に関する検討が行われている。わが国の新たな破綻処理制度の検討に際しては、共同文書で明らかになった米国および英国の破綻処理戦略に関する議論についても念頭に置く必要があるだろう。
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