野村資本市場研究所｜地方創生の観点からみた企業立地を巡る制度改革の行方

「アベノミクス」の成長戦略の一環として、法人税の実効税率を現行の34.62％（標準税率）から数年で20％台へ引き下げる方針が打ち出されている。法人税改革は、企業立地としての日本の魅力向上に寄与することが期待されている。
地方創生の観点から、法人税改革を成功に導くためには、企業が立地移転するインセンティブを後押しすることが重要である。一方、法人税体系の制度設計を通じた企業や人の地方への移転促進も求められるところであり、企業に地方移転を含めた人材配置の最適化を検討する契機を提供し、地方創生や地方財政の持続可能性確保といった地方公共団体の自助努力を後押しする、ふるさと企業減税のような仕組みを導入することも意義があると言える。
法人税改革において、地域経済・社会の活性化や雇用や税収の増加といった効果が発現するように制度設計することが、日本の国・地方が中長期的に渡って持続的な成長を享受するために必須と考えられる。