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野村資本市場クォータリー 2015年秋号
米国のフィナンシャル・ジェロントロジーと日本への示唆 −高齢投資家への包括的アプローチの模索−
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野村 亜紀子、荒井 友里恵
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- フィナンシャル・ジェロントロジーとは、「老齢期及び老齢化プロセスの研究」であるジェロントロジー(老年学)と、金融とが交差する学問領域で、生物学、医学、心理学など金融以外の幅広いテーマが含まれる。近年、金融機関の間に、ジェロントロジーを冠する大学との提携など、投資家の高齢期を包括的に捉え、支えようとする動きが広がっている。
- 投資家の高齢化において看過できないのが、認知機能低下の影響である。金融規制当局及び金融サービス業界は、高齢投資家を標的とする不正対応に向けた態勢整備や情報共有等を進めている。実際、長年にわたり顧客の資産管理をサポートしてきたフィナンシャル・アドバイザーは、遠方に住む家族より先に顧客の異変に気付きうる存在であり、その対応如何により不正の未然防止も期待できる。
- 高齢投資家の根本的なニーズを満たすためには、不正防止のような狭義のプロテクションに加えて、終身にわたる総合的な資産管理サービスを提供する必要がある。フィナンシャル・アドバイザーは全体を取りまとめるハブとなり得るが、その際、アドバイザーが老齢化プロセスを包括的に理解していることが求められる。また、認知機能低下に先立ち、家族の連絡先や委任状を確保しておくなど、ファミリー・エンゲージメントの強化が重要となる。
- 日本でも高齢投資家の保護は課題であり、日本証券業協会が高齢顧客の勧誘についてガイドラインを制定するなど、対応が始まっている。また、少子高齢化により公的年金の給付抑制が実施される中、日本でも終身にわたる総合的な資産管理サービスへのニーズは高まると予想される。米国の動向を参照しつつ、日本なりの変革の努力を続けていく必要があろう。
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