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野村資本市場クォータリー 2015年秋号
金融規制の複合的な影響によるデリバティブ市場の構造変化
吉川 浩史
要約
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  1. 近年のグローバルな金融規制強化の影響は、(1)中央清算機関で清算されるOTCデリバティブ取引や取引プラットフォームを活用した取引の増加、(2)欧米間のOTCデリバティブ市場の分断、(3)一部の大手金融機関によるOTCデリバティブ市場の清算仲介業務からの撤退表明、などの形で顕在化し始めた。必ずしもOTCデリバティブ取引を対象としていない規制のメニューも市場参加者の行動に複合的な影響を及ぼし、市場構造を変化させていると考えられる。
  2. OTCデリバティブ取引に対しては、取引所・取引プラットフォームでの取引執行義務、中央清算機関での清算義務、取引報告義務、証拠金規制が直接課され、市場インフラの整備や市場参加者の適応が進んでいる。
  3. レバレッジ規制や流動性規制など他の金融規制も金融機関による取引の抑制を通じてOTCデリバティブ市場に影響を与えうる。また、証拠金規制の遵守が他の金融規制の指標を悪化させる可能性があるなど、規制の相互作用も懸念されている。
  4. 規制強化を受け、市場参加者の中には、OTCデリバティブ取引の縮小・撤退、または規制が相対的に緩く成長が見込まれるアジアに軸足を移すところがある。一方、規制強化を事業機会ととらえ、縮小・撤退する大手の穴を埋める準大手・地場の金融機関、取引残高圧縮サービスを提供する中央清算機関、市場インフラの構築に関わるシステム会社の台頭がみられる。
  5. 今後の検討課題としては、(1)規制が相互に作用して市場への影響を増幅する効果の検証・対応、(2)市場の分断や規制裁定によって生じうる新たなリスクの把握と対処、(3)規制のコストと効果の検証が挙げられる。
  6. 金融危機後も、OTCデリバティブは資金調達・運用の柔軟性・効率性の改善やリスクヘッジに活用されており、依然としてニーズが存在する。使い勝手の良いOTCデリバティブ市場の維持と、金融システムの安定化を両立するために、規制当局と市場参加者の間で議論を深めることが求められよう。

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