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野村資本市場クォータリー 2015年春号
人口減少時代の公共施設等の総合管理への財務的アプローチ
江夏 あかね
要約
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  1. 日本の地方公共団体は、住民に身近な公共施設等を管轄しており、学校、公営住宅等の公共施設を中心に老朽化が進んでいる。日本の人口動態や地域社会の構図は、人口減少・少子高齢化が進む中で、公共施設等の整備が進められた頃と大きく変化しており、限られた財源の中で、本格化する更新需要に賢く対応していくことが望まれるところである。
  2. 人口減少時代における公共施設等の在り方をめぐっては、人口動態の変化や市町村合併後の公共施設等の需要の変化を踏まえた公共施設等全体の最適化を図ることが大切である。最適化の主な方向性としては、コンパクト化、機能転換、横断管理、長寿命化が挙げられるが、既存の枠組みに捕らわれずに、将来の住民・地域社会のニーズを勘案しながら柔軟な対応を行うことが、住民の効用を高め、財政負担を抑制することにつながる。
  3. 喫緊の課題である人口減少・少子高齢化及び公共施設等の老朽化をめぐり、庁内及び各ステークホルダーと問題意識を共有し、財務的アプローチを軸に民間セクターや住民等の力も活用しながら対応を進めることが、人口減少時代の地方公共団体の行財政運営の持続可能性を確保するカギになると考えられる。

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