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野村資本市場クォータリー 2015年夏号
米国SMA・ファンドラップの拡大を支えた規制と金融機関経営の変遷
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岡田 功太、和田 敬二朗
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- 米国のマネージド・アカウント(MA)の運用資産残高は3.9兆ドルに達し(2014年末)、過去5年間で年率約20%の成長を遂げている。MAとはSMAやファンドラップの総称であり、金融機関の営業担当者(FA)と顧客が投資一任契約を締結し、FAが顧客のポートフォリオ構築を請け負うサービスを指す。
- 米国MAの規模は日本の投資一任口座の約130倍に匹敵するが、これは過去40年の米国リテール金融業界の環境変化によって引き起こされた当然の帰結とも言える。
- 具体的には、第一に1975年の株式売買手数料自由化、投資信託関連のスキャンダルを背景にした取扱商品のオープン・アーキテクチャー化、2008年の金融危機以降の規制強化などの規制改革の潮流である。顧客とFAの間の利益相反回避を可能とするサービスとして、SMAやファンドラップが望ましいとされた面がある。第二に、自主規制改革を契機としたFAの報酬体系の変更やITバブル崩壊後のワイヤーハウス(大手証券会社)営業部門のリストラなど、リテール金融ビジネスの経営戦略がFAの生産性や安定的な収益獲得へと変化したことである。2000年代前半にITバブル崩壊などの苦境に直面したメリルリンチは、FA解雇などの厳しいリストラを通じて、預かり資産増大による残高フィー獲得型のビジネスモデルへの転換を進めたとされている。
- 上記のような中長期の環境変化にリテール証券業界が対応した結果、2008年前後金融危機の後も、MA市場は急回復を果たした。しかし、近年ではアドバイザー主導型などMAが多様化した結果、FAはかつてのブローカー(媒介業者)ではなく、投資顧問業者として見られるようになってきており、FAが果たすべき受託者責任に関する議論が喚起されていることは興味深い動きといえよう。
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