野村資本市場研究所｜米国で拡大する「ロボ・アドバイザー」による個人投資家向け資産運用

米国ではロボ・アドバイザー（RA）と呼ばれる、スマートフォンやPCを利用して資産運用を安価で提案するビジネスモデルが広がりを見せている。RAは、多くのミレニアル世代の資金を取り込みながら、急速に成長している。2018年にはミレニアル世代における投資可能資産も7兆ドルになることが予想されおり、その拡大ぶりを意識してか、大手金融機関もRAに参入してきており、競争が激化している。
一方で、各個人のライフ・イベントに沿った運用ができないため、「アドバイザー」ではないという批判もある。また、RAの6割は金融危機を経験していないため、マーケットが調整局面に入った場合、混乱が生じる可能性がある。
RAはフィー型ビジネスをある程度成熟させた米国社会であるからこそ、台頭してきたビジネスモデルであるともいえる。コミッション型からフィー型のビジネスモデルに変わりつつある日本の金融機関においても、将来団塊ジュニア世代などへのアプローチ方法としてRAのビジネスモデルは示唆に富んでいると言えよう。