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野村資本市場クォータリー 2016年春号
欧銀のマイナス金利対応
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神山 哲也
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- マイナス金利政策導入で日本の先輩格に当たる欧州では、銀行は如何に収益性を確保しているのか。一般論としては、調達コストが低下する中、運用サイドでは貸出リスクを取ることなどで対応しているものの、各国・地域の環境で銀行の対応策も異なっている。
- 北欧では、長短スプレッドで利ザヤを稼ぐ余地が大きいことがマイナス金利の影響を緩和している。また、住宅ローンの借り手へのマイナス金利のコスト転嫁もできている。その中で、デンマーク最大手行のダンスケ銀行は、融資額の増加や融資の減損処理の減少、ウェルス・マネジメント等のフィー収入の増加で、好調を維持している。
- スイスでは、住宅ローンの借り手にマイナス金利のコストを転嫁できている点が大きい。欧銀の中で金融危機後のリストラをいち早く終えたUBSの場合、元々強みを持つウェルス・マネジメントのフィー収入増に加え、与信金利の上乗せや個人預金への口座管理手数料の賦課等により、マイナス金利の影響を軽減できている。
- ユーロ圏は、全体として、与信金利の低下を与信額の増加で相殺している状況にある。その中で、与信金利の上乗せや住宅ローンのフロア設定などは、国・銀行で異なる。例えばドイツでは、国内商業銀行の競争が厳しく、与信金利の上乗せが難しい。また、大手行でも、基本的な個人口座に管理手数料を課すところ、課さないところがある。
- これまでのところ、欧銀は、各々の置かれた環境や、それに対する施策により、マイナス金利の影響を軽減している。しかし、今般のECBによるマイナス金利幅の拡大が、欧銀の経営への更なる重石になっていくことは避けられないものと思われる。今後、欧銀が如何にマイナス金利の環境下で収益を確保していくか、注目される。
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