トップページへEnglish中文よくあるご質問お問合せサイトマップ野村グループ
野村資本市場研究所
サイト内を検索
研究レポート統計・データ出版物のご紹介研究員のご紹介会社情報

[PDF] バックナンバー一覧
野村資本市場クォータリー 2016年夏号
Brexitの金融規制・資本市場・金融機関への影響
神山 哲也
要約
[PDF] 全文PDFダウンロード
  1. 2016年6月23日に実施された英国の欧州連合(EU)離脱(Brexit)を問う国民投票では、離脱が51.9%の票を獲得した。これにより、英国はEUから離脱する方向となった。
  2. 国民投票のやり直し説もあるが、EU条約第50条に基づき英国がEUに離脱を通知し、EUと交渉していくのが基本シナリオである。英国は通知後2年間、EU加盟国として単一市場へアクセスできる。当面、英国がいつ50条手続きを発動するかが注目される。
  3. 英国内の金融規制では、離脱と同時に失効するEU規則について、離脱までに法的手当てを講じられるかが焦点になる。現行の規制の大掛かりな改正は、今後のEUとの交渉や同等性評価獲得の観点から、可能性は低いものと思われる。
  4. EUの金融規制では、離脱後は英国の影響力がなくなることになる。これにより、大陸欧州諸国の立場がより反映されるようになり、離脱後もEU規制の影響を受ける可能性が高い英国の金融業者には不利になり得る。資本市場同盟についても、大陸欧州諸国が主張していた汎EUの証券監督当局の創設論が再燃する可能性がある。
  5. 英国の金融業者にとって最大の課題は、EU規制に基づく単一パスポートで引き続きEU域内で営業できるか否かである。欧州経済領域(EEA)に加盟すれば可能だが、移民の流入を容認する、EU予算を負担する、EU規制の適用を受ける、などの条件がある。新たな枠組みの包括協定も取り沙汰されるが、EU側が英国の「いいとこ取り」に厳しい姿勢を見せる中、英国に都合の良い条件を盛り込むのは難しい可能性が高い。
  6. 証券業者には、第2次金融商品市場指令(MifidII)/金融商品市場規則(Mifir)の第三国レジームもある。欧州委員会の同等性評価を受けた第三国の金融業者が、EU域内のホールセール分野で単一パスポートを認められる仕組みである。英国はMifidIIの国内法化を進めており、Mifirについても法的手当てを済ませれば、理論的には同等性が認められるはずである。しかし、離脱の時期や同等性評価のタイミング等が不明な中、離脱までに同等性評価が間に合うかという問題は残る。
  7. 欧州本部をロンドンに置くEU域外の金融業者は、パスポート利用の可否次第でロンドンのオペレーションの一部をEU域内に移転することを検討しているとみられる。移転先候補としては、パリ、フランクフルト、ダブリンが挙げられることが多い。どの程度を移転するかは単一市場アクセスの程度等によるが、名目的な現地法人をEU域内に設立して単一パスポートを取得するのは認められないというのが専門家の見方である。
  8. 英国のEU離脱は、EU統合の後退や機能停滞に繋がる可能性がある。金融分野では、ルールの統一・調和化にブレーキがかかるかもしれない。また、英国・EUの金融・資本市場のパイ全体が縮小する可能性もある。但し、金融業者としては、現時点で移転や撤退について意思決定するのは時期尚早であり、当面は、英国の政治動向やEUとの交渉などの様子を見ていくしかないものと考えられる。

逾槫アア縲蜩イ荵溘ョ莉悶ョ隲匁枚繧定ヲ九k 遐皮ゥカ蜩。邏ケ莉九∈

PDF繝輔ぃ繧、繝ォ繧定。ィ遉コ縺輔○繧九◆繧√↓縺ッ縲√励Λ繧ー繧、繝ウ縺ィ縺励※Adobe Reader縺悟ソ隕√〒縺吶
縺頑戟縺。縺ァ縺ェ縺譁ケ縺ッ蜈医↓繝繧ヲ繝ウ繝ュ繝シ繝峨@縺ヲ縺上□縺輔>縲
Adobe Reader 繝繧ヲ繝ウ繝ュ繝シ繝


このページの先頭へ
ご利用にあたって個人情報保護方針 COPYRIGHT(C) NOMURA INSTITUTE OF CAPITAL MARKETS RESEARCH, ALL RIGHTS RESERVED.