野村資本市場研究所｜米国ミレニアル世代顧客化の重要性とロボ・アドバイザー

米国において、ミレニアル世代（Millenial Generation）の存在感が増している。ミレニアル世代は、米国の全人口の4分の1を占め、2015年6月にはベビーブーマー世代の人口を初めて上回り、最も人口が多い世代となった。
2031年から2045年にかけて、ベビーブーマー世代の相続がピークを迎え、ミレニアル世代へ約30兆ドルの資産が移転される可能性がある。各金融機関にとってミレニアル世代の顧客化は喫緊の課題と言える。そこで、注目されているのがロボ・アドバイザーである。
ロボ・アドバイザーは、非対面かつモバイルとのつながりが強いミレニアル世代の特徴を捉えており、ゴールドマン・サックス、メリルリンチ、フィデリティなど大手金融機関による参入が相次いでいる。
最近では、ロボ・アドバイザーはデータ・アグリゲーションと呼称されるIT技術を用いて、包括的なフィナンシャル・プランニングを提供する動きも見られる。今後、フィナンシャル・アドバイザーとロボ・アドバイザーはどの様に棲み分けされているのか。人口動態の変化と共に巨額の金融資産が世代を超えて移転していく時期に入る米国リテール金融業界の動向が注目される。