野村資本市場研究所｜グーグル・アセット・マネジメントの可能性－資産運用業界に迫るテクノロジー革新の波

検索エンジン大手のグーグル社の資産運用業界参入、もしくは同社が有するテクノロジーの資産運用業務への応用は「グーグル・アセット・マネジメント」と称され、資産運用業界に変革をもたらす可能性があると囁かれてきた。実際、2014年9月、グーグル社はフィナンシャル・タイムズに対して自身のテクノロジーを資産運用業務に応用できるか調査していると述べた。
グーグル社は、資産運用業界において良好なパフォーマンスを創出するために必要不可欠なマクロ経済等の分析能力を有している。例えば、同社が2006年5月からサービスを開始した「グーグル・トレンド」の検索データを用いて、米国の重要な経済データを正確に予測したという実績がある。
グーグル・アセット・マネジメントの実現可能性は定かではないが、同社が開発しているテクノロジーは投資家が高度な運用戦略にアクセスする際の利便性向上という本質的な付加価値を有しており、今後、各運用会社は競争力向上のためテクノロジーの戦略的活用を迫られるであろう。