トップページへEnglish中文よくあるご質問お問合せサイトマップ野村グループ
野村資本市場研究所
サイト内を検索
研究レポート統計・データ出版物のご紹介研究員のご紹介会社情報

[PDF] バックナンバー一覧
野村資本市場クォータリー 2017年秋号
マクロプルーデンス政策に関する国際的な動向
−実行段階に入ったEU、慎重姿勢の米国−
小立 敬
要約
[PDF] 全文PDFダウンロード
  1. 最近、バーゼルIIIで導入されたカウンター・シクリカル・バッファー(CCyB)をプラスの値に設定する国が現れるなど、マクロプルーデンス政策を実際に発動する動きがみられる。マクロプルーデンス政策とは一般に、実体経済への円滑な信用供与を支える金融システムの維持・安定を図るための政策の枠組みである。金融危機を踏まえてG20の枠組みの下で進展する国際的な金融規制改革においては、マクロプルーデンスが重要なキーワードとなっている。
  2. マクロプルーデンス政策のあり方については、金融安定理事会(FSB)や国際通貨基金(IMF)、国際決済銀行(BIS)を中心に議論が積み重ねられてきている。ソウル・サミットにおいてG20首脳が、マクロプルーデンス政策の設計・適用に関する国際的な原則またはガイドラインの策定を目指して、その基礎となるようなベスト・プラクティスを特定できるようFSBおよびIMF、BISに要請したことが背景にある。FSBおよびIMF、BISは2016年8月に、(1)定義および目的、範囲、(2)組織上の措置、(3)政策運営の面で各国の取組みや国際的な議論を整理した報告書を策定している。
  3. EUでは、欧州システミック・リスク理事会(ESRB)のイニシアティブによって、(1)システミック・リスクの特定および評価、(2)マクロプルーデンス・ツールの選択および水準調整、(3)政策適用、(4)政策評価という4つのステージで構成される政策サイクルの下、マクロプルーデンス政策の枠組みが構築されている。さらに、各加盟国ではマクロプルーデンス・ツールの適用も始まっており、EUではすでにマクロプルーデンス政策は実行段階にある。
  4. 一方、米国では、金融の安定へのリスクの特定と対処を担う金融安定監督評議会(FSOC)が設置され、FSOCをサポートする組織として財務省に金融調査庁(OFR)が設置された。また、連邦準備制度理事会(FRB)もマクロプルーデンス政策に対応するために内部組織の整備を行っている。もっとも、EUのように政策が体系立って整理されている状況ではなく、またツールが具体的に特定されているわけでもない。マクロプルーデンス政策に関する取組みは、EUに比べると慎重な姿勢が窺われる。
  5. 日本でも金融庁および日本銀行によってマクロプルーデンス政策の強化が図られている。もっとも、具体的なツールや両者の協力・協働あるいは役割分担は欧米ほど明確ではないように思われる。実際にFSBが日本を対象に実施したピア・レビューでは、マクロプルーデンス政策についていくつかの提言が行われている。今後、国際的にマクロプルーデンス政策の設計や適用に関する議論の蓄積が進むにつれてベスト・プラクティスが形成されていくことが想定される。マクロプルーデンス政策の構築に向けた議論はこれから本格化するのではないだろうか。

蟆冗ォ九謨ャ縺ョ莉悶ョ隲匁枚繧定ヲ九k 遐皮ゥカ蜩。邏ケ莉九∈

PDF繝輔ぃ繧、繝ォ繧定。ィ遉コ縺輔○繧九◆繧√↓縺ッ縲√励Λ繧ー繧、繝ウ縺ィ縺励※Adobe Reader縺悟ソ隕√〒縺吶
縺頑戟縺。縺ァ縺ェ縺譁ケ縺ッ蜈医↓繝繧ヲ繝ウ繝ュ繝シ繝峨@縺ヲ縺上□縺輔>縲
Adobe Reader 繝繧ヲ繝ウ繝ュ繝シ繝


このページの先頭へ
ご利用にあたって個人情報保護方針 COPYRIGHT(C) NOMURA INSTITUTE OF CAPITAL MARKETS RESEARCH, ALL RIGHTS RESERVED.