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野村資本市場クォータリー 2017年春号
“バーゼルIV”の合意延期と国際協調体制における分裂の懸念
小立 敬
要約
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  1. バーゼル委員会は2017年1月に、2016年内の最終化を目標としていた自己資本比率の分母であるリスク・アセットの改定作業、いわゆるバーゼルIVについて、最終的な水準調整にさらに時間を要するとして合意を延期したことを明らかにした。バーゼル委員会は3月に開催された会合後に合意実現に向けて作業を継続していることを明らかにしているが、バーゼルIVの合意の見通しは立っていない。
  2. バーゼルIVが合意できなかった主因は、内部モデル手法に制限を加える資本フロアーに関して欧米間の交渉が不調に終わったことにあるとみられる。金融危機以降、内部モデル手法への不信感を強める米国に対して、EU当局は内部モデル手法の利用を引続き重視する。その結果、より高い水準の資本フロアーを主張する米国とより低い水準を主張するEUの間で見解が割れている。こうした中、EUの一部からはバーゼルIV、特に資本フロアーの導入に反対する声が上がっていた。
  3. 金融危機以降、国際的な金融規制改革はG20の枠組みの下、国際協調を重視して進められてきたが、欧米では最近、国際協調体制にひびが入るような動きが認められる。EUではバーゼルIVを牽制する発言に加えて、バーゼル基準の域内適用に際して独自の緩和措置を導入するなど、国際協調よりも自らの利益を優先し始めたように思われる。一方、米国ではトランプ政権の下、金融規制の見直しに関する大統領令が発出され、その中で国際的な金融規制の交渉や会合において米国の利益を追求するという原則が示された。米国が国際合意から離脱して独自に金融規制緩和を進めることが警戒されている。
  4. 米国やEUで自国の利益を追求する動きが強まる中、バーゼル委員会を始めとする国際協調体制の「終わりの始まり」を懸念する声がある。もっとも、バーゼルIVを含む国際的な金融規制改革の将来については、現時点では様々なベクトルが予想される。今後、欧米間で歩み寄りがみられる結果として1バーゼルIVが合意に至るのかどうか、あるいは米国が国際協調から離れて金融規制緩和という独自の道を歩むのかどうか、2017年は世界的な金融規制システムの潮流を見定める年になるのではないだろうか。

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