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野村資本市場クォータリー 2018年春号
EUで本格的に始まったベイルイン
−実例に照らしたEUの銀行破綻処理の枠組みの整理−
小立 敬
要約
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  1. スペインでは2017年6月に、バンコ・ポプラールの破綻処理が行われた。同行の破綻処理は、EUの銀行同盟における3つの柱の1つである単一破綻処理メカニズム(SRM)の下、単一破綻処理委員会(SRB)によって実施された初の秩序ある破綻処理の事例であり、事実上ベイルインが行われている。また、ほぼ同時期にイタリアで実施されたバンカ・ポポラーレ・ディ・ヴィチェンツァおよびベネト・バンカの破綻処理についても、事実上のベイルインが実施されている。
  2. バンコ・ポプラールの場合は、(1)破綻または破綻のおそれがあること、(2)民間セクターの代替的な措置または監督上の措置が合理的期間内に破綻を回避する合理的な見込みがないこと、(3)破綻処理措置が公益にとって不可欠であることという破綻処理の開始要件を満たしたことから、SRBのイニシアティブによって、銀行再建・破綻処理指令(BRRD)および単一破綻処理メカニズム規則(SRMR)に従って破綻処理が行われた。BRRDおよびSRMRの下、同行は事業売却ツールを使ってバンコ・サンタンデールに1ユーロで売却されたが、事業売却ツールを適用する前に同行の規制資本の元本削減、エクイティ転換が実施され、株主および劣後債権者は全額毀損した。シニア債までは損失負担は及んでいないが、事実上ベイルインが実施されたものである。
  3. 一方、バンカ・ポポラーレ・ディ・ヴィチェンツァおよびベネト・バンカについては、破綻処理の開始要件のうち破綻処理措置が公益に照らして不可欠であるという要件を満たしていなかったため、BRRDまたはSRMRではなく、イタリア当局の権限の下、イタリアの破綻処理手続に基づいて破綻処理が実施され、その結果、両行の正常な事業を承継したインテーザ・サンパオロに公的資本増強が行われている。もっとも、両行の株主および劣後債権者については、清算手続の中で元本削減が実施されており、事実上のベイルインが行われている。
  4. EUの最近の破綻処理事例から窺われることは、EUではベイルインが本格的に適用される環境になったということであろう。ただし、BRRDおよびSRMRを中心とするEUの秩序ある破綻処理の枠組みについては、制度の形としては整ってきているが、まだ実際の運用においては不確実なところもあり、改善の余地があるようにも思われる。そのような点については、将来の破綻処理の事例を通じた経験の蓄積とともに修正されていくことが想定される。EUにおける銀行の破綻処理の動向について、引き続き注目していく必要があるだろう。

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