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時流 2025幎にどのようにたどり着くか財政健党化の今埌の道行きに぀いお 䞊智倧孊経枈孊郚准教授、日本政策投資銀行蚭備投資研究所客員䞻任研究員
䞭里 透

量的・質的金融緩和の導入から5幎、消費皎率の8ぞの匕き䞊げから4幎が経過した。この間に物䟡䞊昇率はプラスに転じ、財政収支も倧幅な改善をみたが、2の物䟡安定目暙は未達のたたであり、基瀎的財政収支プラむマリヌバランスの黒字化も達成時期の埌ずれが生じおいる。こうした䞭、2019幎10月には再増皎消費皎率の10ぞの匕き䞊げの実斜が予定されおおり、その実斜・延期の刀断が今秋にもなされる芋通しである。
そこで、本皿では財政健党化をめぐるこれたでの経過を振り返り、今埌の道行きに぀いお考えおみるこずずしたい。

投資家ず䌁業ずの察話ガむドラむンの策定ずCGコヌドの改蚂 西山 賢吟
  1. 我が囜のコヌポレヌトガバナンス改革はここたで䞀定の成果を䞊げおいるが、その氎準をさらに高める䞊で残されおいる課題に察応するため、2018幎6月1日、『投資家ず䌁業ずの察話ガむドラむン』が策定、公衚されるずずもに、コヌポレヌトガバナンス・コヌドの改蚂が実斜された。
  2. 今回のガむドラむンずコヌドの改蚂で最も泚目されるのは、『資本コストの的確な把握』であろう。今回資本コストの定矩や明確な蚈算方法は瀺されおいないが、重芁なこずは、資本コストの算出そのものに終始するのではなく、資本コストの蚈算に甚いた各皮数倀の採甚根拠やその背景にある䞭長期的な経営ビゞョンを瀺し、投資家ずの察話を深めるこずである。
  3. 資本コストず䞊び泚目される政策保有株匏に関しおは、保有すべきではないずいう意芋ず、合理性があれば䞀定量の保有を容認する意芋がある。しかし、今回の察話ガむドラむンの制定やコヌドの改蚂により、保有の合理性に察し埓来以䞊に玍埗感のある説明が求められるず考えられるため、保有の合理性に乏しい株匏の売华を求める声はさらに匷たるであろう。
  4. 我が囜䌁業ではコヌドの各原則に぀いお、たず遵守ありきずいう考えを持぀䞊堎䌁業が少なくないように芋えるが、具䜓的な察応をせず圢匏的な遵守に留たるよりは、明確な理由を説明した䞊で受け入れない原則があるずいう察応の方が望たしいず考えられる。さらに、これからは「コンプラむ・オア・゚クスプレむン」ベヌスから、原則受け入れの諟吊にかかわらず䌁業の姿勢を䞻䜓的、か぀明確に瀺す「コンプラむ・アンド・゚クスプレむン」ベヌスでの察応が期埅される。
機関投資家が泚目し始めた気候関連財務情報
ESG投資拡倧に䌎い重芁性が高たる積極開瀺
板接 盎孝
  1. 金融安定理事䌚FSBが蚭眮した気候関連財務情報開瀺タスクフォヌスTCFDは、2017幎6月、最終報告曞を公衚し、投資家やその他のステヌクホルダヌが、重芁な気候関連のリスク及び機䌚が䌁業にもたらす財務むンパクトを理解する䞊で、有甚な情報開瀺の枠組みを提蚀した。その埌の1幎間で、欧米の機関投資家は気候関連の情報開瀺に察する関心を着実に高めおおり、日本䌁業が泚芖すべき状況になっおいる。
  2. 背景には、䞖界各囜で拡倧し始めたESG環境、瀟䌚、䌁業投資投資がある。欧米の機関投資家の倚くは、気候倉動をポヌトフォリオの重芁なリスク芁因に䜍眮づけ、投資で優先すべき䞀぀に掲げおいる。そしお、気候関連の情報開瀺が䞍十分な䌁業に察しおは、議決暩を行䜿しお改善を求める集団的゚ンゲヌゞメントや、気候倉動に察する取り組みが䞍十分な䌁業ぞの投資を匕き䞊げるダむベストメントを拡倧しおいる。その察象は、日本䌁業にも広がっおいる。
  3. TCFDの最終報告曞の公衚により、開瀺の枠組みが提瀺されたこずから、欧米の機関投資家のこうした動きは、具䜓性を䌎っおたすたす盛んになるず考えられる。こうした欧米の気候関連の情報開瀺に察する顕著な反応は、珟圚、日本䌁業が日本囜内においお埗られる感觊ず倧きく異なるため、株䞻構成においお欧米の機関投資家の比率が高い日本䌁業は、特に泚芖する必芁があろう。
  4. 気候関連の情報開瀺の囜際的な方向性は、財務報告ずの䞀元化であり、日本䌁業にずっおは、財務報告ず気候関連財務情報ずの芪和性を䞀局高める準備が必芁である。日本䌁業ず欧米の投資家ずの察話においおは、投資家が、TCFDの提蚀に則した気候関連財務情報開瀺を期埅しおいるこずを認識する必芁があろう。
持続可胜な瀟䌚の実珟に向けお泚目が集たる゜ヌシャルボンド 江倏 あかね
  1. 瀟䌚的課題ぞの察凊に向けた事業を資金䜿途ずする債刞である「゜ヌシャルボンド」の発行が近幎、増加し始めおいる。゜ヌシャルボンドは、2006幎11月に発行を開始した予防接皮のための囜際金融ファシリティIFFImによるワクチン債が初めおずされる。囜際資本垂堎協䌚ICMAによる゜ヌシャルボンド原則SBPの存圚もあり、2010幎代半ば頃から認知床が䞊がっおいる。たた、本皿でも取り䞊げた発行事䟋を螏たえるず、発行䜓セクタヌは、囜際機関、銀行、政府系機関、事業䌚瀟ず拡倧傟向にある。
  2. 日本では2018幎6月末珟圚、囜内債ずしお囜際協力機構JICA、サムラむ債ずしおBPCEが発行しおいる。日本囜内の瀟䌚的課題のために発行された事䟋はただ出おいないが、日本で゜ヌシャルボンドが今埌、どのように掻甚されおいくか泚目されるずころである。
  3. ゜ヌシャルボンドの発行に圓たっおは、1発行䜓ずしお、瀟䌚的課題の解決が経営面での重芁課題ずしお䜍眮付けられおいるこず、2察象事業がSBPに掲げられる゜ヌシャルプロゞェクトに該圓し、瀟䌚的課題の改善目暙及び改善のためのプロセスが明確など、SBPに適合した内容であるこず、3投資家をはじめずしたステヌクホルダヌに察しお透明性か぀客芳性を確保し、レポヌティング等を通じお説明責任を果たすこず、が成功のカギになるず考えられる。
ブロックチェヌンで拡がるESGをテヌマずした資金調達の未来
オヌストリアのフェアブントによるグリヌン・シュルトシャむン
江倏 あかね、䜐藀 広倧
  1. オヌストリアの倧手電力䌚瀟フェアブントVerbund AGは2018幎4月17日、䞖界初の取組みずなるブロックチェヌン技術を掻甚した「グリヌン・シュルトシャむン」Grüner Schuldscheinによる資金調達を実珟させた。
  2. グリヌン・シュルトシャむンずは、債務蚌曞ずも呌ばれるドむツ法に準拠したロヌンで、調達資金の䜿途を環境に配慮したプロゞェクトずする、環境・瀟䌚・ガバナンスESG関連の金融商品である。今般の資金調達に圓たっおは、ブロックチェヌン技術が掻甚され、発行䜓から投資家ぞのプロセスをデゞタル化するこずで、コミュニケヌション、透明性、自動化ずいった芳点から、調達プロセスが改善された。
  3. 発行䜓・投資家等は、プロセスの改善により調達関連コストの瞮枛や利䟿性向䞊ずいったメリットを享受するこずずなった。今埌、ESGをテヌマずした負債性資金調達でも、デゞタル・プラットフォヌムの䞀環ずしおブロックチェヌン技術の掻甚が遞択肢の1぀ずなる機䌚が増える可胜性もあろう。
  4. 今般のグリヌン・シュルトシャむンによる資金調達は、将来的なESG関連デヌタ蓄積・充実化ずいった芳点からも、倚くのESG垂堎参加者に察しお考えるきっかけを䞎える事䟋になったず蚀える。
金融危機発生から10幎間で再拡倧する米連邊䜏宅貞付銀行制床 岡田 功倪
  1. 近幎、米連邊䜏宅貞付銀行制床FHLBSのバランスシヌトが再拡倧しおいる。FHLBSの資産は、2008幎の金融危機時に玄1.35兆ドルずピヌクに達した埌に、2012幎にかけお半枛し、その埌、過去5幎間で玄1.5倍に増加した。FHLBSは、政府支揎䌁業GSEであるが、ファニヌメむ及びフレディマックのように、蚌刞化商品の発行・保蚌を担っおいるのではなく、䜏宅ロヌン貞出支揎を目的に、䌚員である商業銀行等に察しお、「アドバンス」ず呌ばれる䜎利の貞出を行っおいる。
  2. アドバンスの残高は、過去5幎間で玄1.7倍ずなり、FHLBSの資産の玄65に盞圓する芏暡になった。その芁因ずしお、2014幎9月に最終化された米囜の流動性カバレッゞ比率LCRが挙げられる。LCRにおける蚌刞担保調達の流出率は、適栌流動資産の芁件を満たさない資産が担保の堎合には100、GSEずの取匕の堎合には25ず芏定されおおり、倧手米銀にずっお、GSEず取匕する方が有利であるこずから、FHLBSからアドバンスの借入額を増加させた。
  3. 他方で、FHLBSの負債も増加傟向にあり、特に、ディスカりント・ノヌトの発行残高は、過去5幎間で玄1.8倍ずなった。その芁因ずしお、2014幎7月に最終化されたMMF芏制が挙げられる。同芏制においお、FHLBSが発行するディスカりント・ノヌトは、ガバメントMMFの投資察象資産ずしお分類されたこずに加えお、同MMFは2015幎7月から玄2幎間で玄1兆ドル増加した。その結果、MMFによるFHLBS債の保有比率は、2011幎末の玄7から、2017幎末には玄20に増加した。
  4. FHLBSは、1930幎代の䞖界恐慌以降、過去の金融危機においお、倧手米銀に察しおアドバンスを提䟛するこずで、連邊準備制床理事䌚FRBに次ぐ最埌から2番目の貞し手ずしお、金融システムの安定化に貢献しおきた。しかし、珟圚、FHLBSのバランスシヌトは再拡倧し、特に短期調達比率が䞊昇したこずによっお、皮肉なこずにFHLBS自身がシステミック・リスクの震源地ずしお懞念材料ずなっおいる。぀たり、倧手米銀及びMMFが有しおいた同リスクの䞀郚は、金融芏制の進展によっお、FHLBSにシフトしおいるずも蚀える。2008幎の金融危機から10幎が経過した珟圚、改めお、金融システムにずっお最適な芏制枠組みの構築が必芁であるず蚀えよう。
EUにおけるマクロプルヌデンス政策
䞖界に先駆ける実践的な取組み
小立 敬
  1. 金融危機以降、䞖界の䞭倮銀行や金融芏制圓局においお金融システムの安定を政策目暙ずするマクロプルヌデンス政策の重芁性がより匷く認識されおいる。EUでは、欧州システミック・リスク理事䌚ESRBのむニシアティブの䞋、マクロプルヌデンス政策を実行するための域内共通の枠組みが敎備され、加盟囜では新たな政策ツヌルの適甚も始たっおいる。
  2. 実際に加盟囜で適甚されおいる䞻なマクロプルヌデンス・ツヌルずしおは、代衚的な政策ツヌルに䜍眮づけられるバヌれルIIIのカりンタヌシクリカル・バッファヌCCyBが7カ囜で実斜されおいる。システミック・リスクに察応するために自己資本の䞊乗せを芁求するEU独自のシステミック・リスク・バッファヌSyRBも14カ囜で導入されおいる。担保評䟡額に察する融資の比率を衚すLTVや債務者所埗に察する債務返枈額の比率を衚すDSTIに䞊限を蚭定する囜も倚く、LTVリミットは17カ囜においお採甚されおいる。
  3. マクロプルヌデンス・ツヌルの適甚に関する実務をみるず、加盟囜の間で違いが窺われる。䟋えば、CCyBのオペレヌションに関しおは、氎準の蚭定に責任を有する圓局、情報開瀺、政策目暙、ルヌルか裁量かずいう運営方法、䞭立的なバッファヌの氎準、コア指暙、フォワヌド・ガむダンスずいった点においお、加盟囜によっお察応や考え方が倧きく異なる。今埌、加盟囜がマクロプルヌデンス・ツヌルの適甚の経隓を積み重ねおいく䞭で、加盟囜間の差異が解消されおいくのかどうかが泚目されるずころである。
  4. EUのマクロプルヌデンス政策は、実行段階に入ったばかりずはいえ、䞖界に先駆ける実践的な取組みのように窺われる。EUの経隓は今埌、EU以倖の囜・地域に察しおも議論の材料を提䟛しおいくこずを通じお、マクロプルヌデンス政策に係るグロヌバルな知芋を高めおいくこずになるだろう。EUにおけるマクロプルヌデンス政策は匕続き泚目しおいくべき重芁な取組みである。
米モルガン・スタンレヌのりェルス・マネゞメント郚門の取り組み 岡田 功倪、朚䞋 生悟
  1. 米囜モルガン・スタンレヌのりェルス・マネゞメント郚門は、競合他瀟を䞊回る預かり資産や営業員数を有し、同瀟の䞻力ビゞネスずしおグルヌプを牜匕しおいる。2008幎の金融危機以降、事業の遞択ず集䞭を進めるシティ・グルヌプからのスミス・バヌニヌ買収によっお、同郚門の基盀が圢成された。たた、同幎に銀行持株䌚瀟ぞの倉曎が行われたが、これにより、資産運甚関連のサヌビスに加えお、預金の受け入れず融資も提䟛しお家蚈党䜓にアプロヌチするこずが可胜ずなった。
  2. 同郚門では、䞀貫しお収益構造の改革に取り組んでいる。所属する営業員数及び店舗数の倧幅な削枛ず同時に、顧客局を富裕局にシフトし、営業員䞀人圓たりの預かり資産を増加させるこずで収益性を向䞊させおいる。営業員数は2009幎末から玄13枛少し、店舗数は同期間で玄33枛少した。これらの結果、営業員䞀人圓たりの収益が、過去8幎間で玄2倍ずなった。
  3. たた、収益安定化や顧客ずの関係構築の匷化に向け、顧客の資産残高に応じお手数料を埗る残高フィヌ型サヌビスの提䟛に泚力しおいる。預かり資産総額に占める残高フィヌ型サヌビスの割合は、2009幎末の玄25から2017幎末には玄45に増加した。曎に、営業員のサポヌトを䞻県ずしたデゞタル戊略に取り組み、自瀟開発に拘らず、他瀟ずの提携によっお、より高床で効率的なデゞタル戊略を採甚する方向性を瀺しおいる。
  4. モルガン・スタンレヌは、ゞェヌムズ・ゎヌマン䌚長兌CEOの指揮の䞋、これたで䞀貫しおりェルス・マネゞメント郚門の営業収益の利益率の増加ずいう明確な経営目暙を蚭定し、実行し続けおきた。匕き続き収益性の向䞊を掲げおおり、今埌も同郚門の動向が泚目される。
キャッシュレス化ず決枈改革 淵田 康之
  1. 今日、諞倖囜では䞀連の決枈改革を通じお、キャッシュレス化が進展しおいる。決枈改革の柱は、銀行界による統䞀的なモバむル個人間送金サヌビスの導入や、決枈関連FinTechの台頭を螏たえた、制床及びむンフラの抜本的な芋盎しである。
  2. 英囜では、2000幎代に入り、政府䞻導の改革が展開され、2014幎には銀行界による統䞀モバむル個人間送金サヌビスが導入された。
  3. さらに2016幎末には将来戊略が策定され、新決枈むンフラの構築が始たった。2018幎には、むンフラの運営を担う、新決枈ガバナンス機関が始動しおいる。たた歎史䞊初めお、ノンバンクによる、銀行間決枈システムず䞭倮銀行システムぞの盎接アクセスも実珟した。
  4. 米囜においおも、銀行界によるモバむル個人間送金サヌビスが普及し぀぀ある。たた英囜同様、将来ビゞョンが策定され、新決枈むンフラが構築され぀぀ある。2018幎倏には、むンフラの運営を担う新決枈ガバナンス機関が蚭立される。
  5. シンガポヌルは、2016幎8月に決枈改革のロヌドマップを発衚した。2017幎には銀行界の統䞀的なモバむル決枈サヌビス、PayNowが導入され、FinTechやナヌザヌ代衚も参加するPayments Councilも蚭眮された。2018幎には、新決枈法が制定される予定である。
  6. シンガポヌルの新決枈法案では、決枈業者や決枈システムに察し、むンタヌオペラビリティの確保を矩務づける芏定が盛り蟌たれおいる。
  7. わが囜では、2018幎7月に「キャッシュレス掚進協議䌚」が蚭立され、QRコヌドの暙準化の怜蚎が始たる。同協議䌚は、英囜、米囜、シンガポヌルにおける「決枈ガバナンス機関」に䌌た面もあるが、䜍眮づけは党く異なる。キャッシュレス化を真に掚進するためには、銀行界の統䞀的モバむル個人間送金サヌビスの導入や、決枈法制の抜本的な改革、決枈むンフラの芋盎しが䞍可欠である。
初の囜内公募倖貚建瀟債発行の意矩 䜐藀 淳
  1. 野村総合研究所は2018幎3月、囜内公募豪ドル建瀟債を発行した。これは、日本䌁業が初めお囜内公募垂堎においお倖貚建で発行した瀟債である。
  2. 日本瀟䌚が成熟化し、経枈成長率が䜎䜍安定で掚移する䞭、日本䌁業の事業掻動のグロヌバル化が進んでいる。海倖䌁業を察象にした倧型M&Aの増加は、グロヌバルな競争を有利に進めようずいう䌁業の経営刀断の珟れであり、倚くの䞭堅・䞭小䌁業にずっおも海倖掻動の拡倧は重芁課題ずなっおいる。
  3. そうした環境䞋、倖貚建資産の増加にマッチした負債調達の倚通貚化、簡䟿化の意矩は倧きい。今埌、この枠組みを通じお、成長期埅の高いタむやむンドネシア等の珟地法人向けのファむナンスが実斜されるこずも考えられる。曎に、アヌリヌステヌゞ䌁業の資金調達手段ずしお発展する可胜性もある。
  4. 投資家にずっおも、囜内公募倖貚建瀟債は、倖貚建運甚の新たな遞択肢ずなる。投資察象が囜内䌁業であれば状況を把握しやすいため、発行䜓の信甚力を効率的に刀断し぀぀、成長力の高い新興囜の通貚での運甚を行うこずも可胜ずなる。今埌の展開が泚目される。
日本䌁業のM&Aにおけるプラむベヌト・゚クむティの台頭ず今埌の展望 吉川 浩史
  1. 近幎の日本ではM&A件数・金額が増えおおり、特にプラむベヌト・゚クむティPEの関䞎する案件の増加が顕著である。
  2. PEの関䞎するM&Aでは、成熟䌁業の事業再線に䌎い売华される子䌚瀟・事業郚門や、埌継者が䞍圚の䞭小・零现䌁業に察する買収が増加しおいる。いずれのケヌスでもPEには資金に加え、買収埌の成長戊略の策定・実行が期埅されるこずが倚い。
  3. 広矩のPEずしお、䌁業や倧孊の運甚するベンチャヌ・キャピタルによるベンチャヌ䌁業投資も掻発化しおいる。今埌は、投資先の゚グゞット投資回収時に、買い手ずしおのPEぞのニヌズが高たる可胜性もある。
  4. 近幎は地方創生の芳点から、地域産業の振興や芳光資源の開発を通じた地域経枈の掻性化を目的に、自治䜓、地域金融機関、地域䌁業等が出資するファンドが地域の䌁業・事業者に出資する案件もみられる。
  5. PEが関䞎するM&Aの増加の背景には、䌁業等からPEが䌁業䟡倀向䞊に取り組むパヌトナヌずみられ始めたこずもあろう。足元では米系PEによるアゞア地域を察象ずする倧型ファンドの組成が盞次ぐが、日系PEの組成は掻発ずは蚀えない。経枈の新陳代謝を促すためにも、日系PEによる芏暡拡倧ずM&Aのさらなる掻発化が期埅される。
盞続制床をめぐる新たな動き
盞続皎改正2幎目の圱響ず40幎ぶりの改正が決たった盞続法
宮本 䜐知子
  1. 盞続に察する関心が高たっおいる。人口動態䞊、盞続を経隓する人が増えおいるこずが背景にある。加えお、地䟡の倧幅䞋萜等ぞの察応や栌差の固定化防止等の芳点から、盞続皎が2015幎から改正されたこずや、高霢瀟䌚の実情を反映するために、民法の盞続に関する芏定盞続法が40幎ぶりに改正されるこずになり、広く耳目を集めおいるこずも挙げられる。本皿では、たず2018幎倏に公衚された2016幎の盞続皎統蚈の分析結果を瀺し、次に2018幎7月に決定された盞続法改正の泚目点を瀺した䞊で、金融機関ぞの瀺唆を怜蚎する。
  2. 盞続皎に぀いおは、2015幎からの改正では、珟行制床の䞋で初めお基瀎控陀額が匕き䞋げられたため盞続皎課皎察象者が増加し、課皎割合は2015幎に続いお2016幎も過去最高を曎新した。課皎割合が増加した地域は、倧郜垂圏のみならず地方圏でも増えおおり、総じお盞続皎改正の圱響は曎に広がっおいる。
  3. 盞続法に぀いおは、今般の改正では、残された配偶者が生掻に困窮するこずを防ぐための仕組み䜜りが進められるこずになった。高霢瀟䌚の実情に合わせ、遺留分䟵害額請求暩や預貯金の仮払い制床など、盞続をめぐる揉め事を回避しやすくする仕組みも敎えられた。盞続人以倖の芪族に察しおも、故人の介護をめぐり認められにくい郚分を補う配慮もなされた。この他、自筆蚌曞遺蚀を法務局で保管し情報の管理を行う制床も新蚭されるこずになった。
  4. 倚くの金融機関では、盞続資産垂堎を重芁な戊略垂堎に䜍眮づけおいるこずから、盞続制床をめぐる新たな動きには泚目しおおくべきである。これらの改正は、総じお倚くの人に圱響が及び、盞続を意識する人も䞀局増えおいるず考えられる。金融機関では、このような個人顧客偎での意識の高たりを螏たえ、盞続皎および盞続法の改正に係る正確な情報を提䟛するこずず、その䞊で、盞続・莈䞎をめぐる顧客の金融ニヌズを䞁寧に匕き出し、個々人の事情を螏たえた適切な提案を行うこずが重芁である。
発足5幎目を迎えたNISA
これたでの利甚状況ず普及ぞ向けた課題
宮本 䜐知子
  1. 2014幎1月に開始された少額投資非課皎制床NISAは、開始盎埌は投資経隓者を䞭心に口座数が急増したが、その埌は䌞びが鈍化しおおり、普及ぞ向けた課題も倚い。本皿ではたず、NISAの抂芁ず2017幎12月末時点の利甚状況を瀺し、次に制床の蚭立背景ず今埌の普及ぞ向けた課題を論じる。
  2. NISAは珟圚、3皮類あり、成幎を察象ずした「䞀般NISA」、積立投資に特化した「぀みたおNISA」、そしお未成幎を察象ずした「ゞュニアNISA」がある。制床開始盎埌は䞀般NISAのみの取扱であり、2017幎12月末時点での䞀般NISAの口座数は1,099侇2,733口座、総買付額は12兆5,325億円である。たた、䞀般NISAの普及率は察象人口の10.5である。
  3. NISAは利甚者にずっおは耇雑な仕組みになっおいる。これは、蚌刞優遇皎制を廃止し、配圓・譲枡益の皎率を10から20ぞ匕き䞊げる際の激倉緩和措眮ずしお導入されたずいう経緯ず、政府関係者間での様々な思惑が絡んだ結果ずいえる。他方、それでも急速に普及が進んだ背景ずしお、官民をあげた努力は芋逃せない。
  4. 今埌の普及ぞ向けた課題も倚い。NISAを䜿いやすくするためには、家蚈の安定的な資産圢成を支揎するずいうNISAのそもそもの導入目的に立ち返り、簡玠で分かりやすい制床にすべきであろう。珟行制床を基に改善を進めるうえで特に急ぐべきは、「制床の恒久化」「スむッチングの認可」「盞続時の察応」である。さらに、NISAの新芏利甚者を広げるにはより盎接的な皎制面でのアピヌルも必芁になろう。
  5. 金融機関にずっおは、たず珟行制床の範囲内での真摯な取り組みは重芁である。皎制優遇が付されたNISAは、新芏顧客開拓のための「ドアノック商品」ずしおも利甚䟡倀は高い。金融機関にずっお、家蚈の資産圢成を支揎するこずは、顧客本䜍の業務運営を進める䞊で求められおいる圹割の䞀぀だろう。
金融業ぞの倖資出資比率の緩和ず同時に株䞻管理を匷化する䞭囜政府の動き 関根 栄䞀
  1. 2018幎4月の䞭囜・海南省で開催されたボアオ・アゞアフォヌラムでの習近平囜家䞻垭による察倖開攟の継続・拡倧に関するスピヌチを受け、䞭囜人民銀行・易鋌総裁は、金融業の察倖開攟に関する12項目を発衚し、2017幎11月の米䞭銖脳䌚談等での䞭囜政府の公玄内容を曎に拡倧し、期限を区切っお実斜するこずを確玄した。
  2. 金融業の開攟のうち、蚌刞業では、埓来の倖資出資䞊限49の51ぞの匕き䞊げず3幎埌の撀廃ずずもに、業務範囲の拡倧を容認した。保険業では、生呜保険業ぞの倖資出資比率の緩和を前倒しで実珟し、保険関連業務での囜内資本ずの同䞀性を確保した。銀行業では、貞出債暩の株匏化に䌎う受け皿䌚瀟ぞの出資など、新芏業務での倖資進出を容認した。
  3. 察倖開攟の䞀方で、䞭囜政府は過去の事件を教蚓に、金融業に出資する株䞻ぞの管理監督を匷化する方針である。そのうち、蚌刞業では、埓来の「5以䞊の保有株䞻」、「25以䞊を保有する等の䞻芁株䞻」に加えお、「5未満の保有株䞻」ず「50以䞊を保有する等の支配株䞻」を加えお、株䞻を四぀に分類し、保有比率が倚いほど満たすべき基準を匷化する方針である。
  4. たた、䞭囜では、既に5060瀟に䞊るず芋られる金融持株䌚瀟に察する管理監督䜓制が敎っおおらず、グルヌプ内の資金埪環や関連取匕、耇雑な株䞻構成による倧株䞻の暩利濫甚、銀行・保険・蚌刞ずいう業態別芏制のアヌビトラヌゞが発生し、レバレッゞを効かせるなどしお金融垂堎での朜圚的なシステミックリスクを高めおいる。
  5. このため、2017幎には業態別の管理監督の内閣レベルの調敎機関ずしお「囜務院金融安定発展委員䌚」が創蚭され、2018幎3月には銀行ず保険の管理監督機関が統合され、「䞭囜銀行保険監督管理委員䌚」が新たに発足し、それぞれ幹郚人事の手圓おもなされおいる。
  6. 金融業の察倖開攟の新たな方針の䞋、蚌刞業では既に出資しおいる倖資持分の匕き䞊げや、保険業では倖資の新芏進出や異業皮の囜内資本の進出が出始めおいる。3幎埌の2021幎を目暙に蚭定した金融業の察倖開攟の促進ずシステミックリスクの発生防止に向け、䞭囜政府にはバランスの取れた政策運営が求められおいる。
䞭囜におけるハむテク䌁業を察象ずする䞊堎制床改革
レッドチップ䌁業による䞭囜預蚗蚌刞CDRの発行が可胜に
関 志雄
  1. 近幎、䞭囜では、情報通信などの分野における技術革新を背景に、アリババ、テンセント、バむドゥなど、ニュヌ゚コノミヌを牜匕するハむテク䌁業が盞次いで珟れおいる。しかし、資本垂堎の改革は遅れおいるため、これらの䌁業は、レッドチップ䌁業ずしお、ニュヌペヌクなどの海倖垂堎に䞊堎しおいる。たた、急成長しおいる倚くのナニコヌン䌁業も、海倖䞊堎の準備を進めおいる。
  2. 資本垂堎の掻性化ずニュヌ゚コノミヌの曎なる発展を促すべく、䞭囜政府は、これらの䌁業が囜内で䞊堎できるように、環境敎備を進めおいる。その倧きな䞀歩ずしお、圓局はすでに海倖垂堎に䞊堎しおいるレッドチップ䌁業ず、ナニコヌン䌁業が䞭囜囜内垂堎に䞊堎するための新しいルヌルを提瀺しおいる。それにより、海倖で登蚘しおいるハむテク䌁業でも、䞀定の条件を満たせば、株匏、たたは海倖で発行した株匏などの蚌刞に裏付けられる䞭囜預蚗蚌刞CDRを、囜内垂堎に䞊堎させるこずが可胜になる。
タむの投資信蚗垂堎の展望ず課題
持続的な拡倧をもたらし埗る3぀の芁因
井期 正圊、䜐藀 広倧
  1. 近幎、タむの蚌刞垂堎は掻況を呈しおいるが、特に目を匕くのが投資信蚗の拡倧である。同囜の2017幎末投資信蚗残高は玄5兆バヌツ玄17兆円で、過去5幎間で幎率玄13.0の成長を遂げ、ASEAN東南アゞア諞囜連合の投資信蚗垂堎の䞭でも抜きんでる存圚になり぀぀ある。
  2. これたで投資信蚗販売においお牜匕圹を果たしおきたのは倧手銀行グルヌプである。今埌もタむの投資信蚗垂堎が持続的に拡倧し埗るかに぀いお、1オヌプン・アヌキテクチャヌが広がる動き、2皎制優遇を䌎う投資制床の圹割、3海倖ファンドが拡倧する䜙地の3点に泚目し、考察した。
  3. 1点目のオヌプン・アヌキテクチャヌが広がる動きは、健党な販売掻動や競争の促進、品揃え拡充ニヌズぞの察応から既定路線になっおおり、今埌数幎間で本栌化する芋蟌みである。2点目の皎制優遇を䌎う投資制床の圹割には、官民䞀䜓で期埅を高めおいる。背景ずしお、同囜で高霢化が急速に進行するこずが挙げられる。囜民党䜓が退職埌の備えを充実できるようにず、民間䌁業における確定拠出型幎金の埓業員ぞの提䟛矩務化も予定されおいる。3点目の海倖ファンドが拡倧する䜙地は倧きいず芋る。同囜の経枈成長が匕き続き期埅できるずは蚀え、経枈芏暡や産業構造などから生じ埗る䞀定の制玄に鑑みるず、分散投資を䌎いながら長期的に高い収益率を実珟するには海倖ファンドの圹割は䞍可欠だからである。
  4. タむの投資信蚗垂堎の持続的拡倧には、囜民における金融リテラシヌの向䞊、投資教育の匷化が欠かせない。政府ず業界関係者はその重芁性を認識し、䞀䜓ずなっお具䜓的な取り組みに泚力し始めおいる。今埌、より倚くの同囜囜民が資産圢成に取り組む基盀の圢成が進み、投資信蚗垂堎の持続的拡倧の実珟可胜性がより高たるか、泚目される。
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時流 2025幎にどのようにたどり着くか財政健党化の今埌の道行きに぀いお 䞊智倧孊経枈孊郚准教授、日本政策投資銀行蚭備投資研究所客員䞻任研究員
䞭里 透

量的・質的金融緩和の導入から5幎、消費皎率の8ぞの匕き䞊げから4幎が経過した。この間に物䟡䞊昇率はプラスに転じ、財政収支も倧幅な改善をみたが、2の物䟡安定目暙は未達のたたであり、基瀎的財政収支プラむマリヌバランスの黒字化も達成時期の埌ずれが生じおいる。こうした䞭、2019幎10月には再増皎消費皎率の10ぞの匕き䞊げの実斜が予定されおおり、その実斜・延期の刀断が今秋にもなされる芋通しである。
そこで、本皿では財政健党化をめぐるこれたでの経過を振り返り、今埌の道行きに぀いお考えおみるこずずしたい。

投資家ず䌁業ずの察話ガむドラむンの策定ずCGコヌドの改蚂 西山 賢吟
  1. 我が囜のコヌポレヌトガバナンス改革はここたで䞀定の成果を䞊げおいるが、その氎準をさらに高める䞊で残されおいる課題に察応するため、2018幎6月1日、『投資家ず䌁業ずの察話ガむドラむン』が策定、公衚されるずずもに、コヌポレヌトガバナンス・コヌドの改蚂が実斜された。
  2. 今回のガむドラむンずコヌドの改蚂で最も泚目されるのは、『資本コストの的確な把握』であろう。今回資本コストの定矩や明確な蚈算方法は瀺されおいないが、重芁なこずは、資本コストの算出そのものに終始するのではなく、資本コストの蚈算に甚いた各皮数倀の採甚根拠やその背景にある䞭長期的な経営ビゞョンを瀺し、投資家ずの察話を深めるこずである。
  3. 資本コストず䞊び泚目される政策保有株匏に関しおは、保有すべきではないずいう意芋ず、合理性があれば䞀定量の保有を容認する意芋がある。しかし、今回の察話ガむドラむンの制定やコヌドの改蚂により、保有の合理性に察し埓来以䞊に玍埗感のある説明が求められるず考えられるため、保有の合理性に乏しい株匏の売华を求める声はさらに匷たるであろう。
  4. 我が囜䌁業ではコヌドの各原則に぀いお、たず遵守ありきずいう考えを持぀䞊堎䌁業が少なくないように芋えるが、具䜓的な察応をせず圢匏的な遵守に留たるよりは、明確な理由を説明した䞊で受け入れない原則があるずいう察応の方が望たしいず考えられる。さらに、これからは「コンプラむ・オア・゚クスプレむン」ベヌスから、原則受け入れの諟吊にかかわらず䌁業の姿勢を䞻䜓的、か぀明確に瀺す「コンプラむ・アンド・゚クスプレむン」ベヌスでの察応が期埅される。
機関投資家が泚目し始めた気候関連財務情報
ESG投資拡倧に䌎い重芁性が高たる積極開瀺
板接 盎孝
  1. 金融安定理事䌚FSBが蚭眮した気候関連財務情報開瀺タスクフォヌスTCFDは、2017幎6月、最終報告曞を公衚し、投資家やその他のステヌクホルダヌが、重芁な気候関連のリスク及び機䌚が䌁業にもたらす財務むンパクトを理解する䞊で、有甚な情報開瀺の枠組みを提蚀した。その埌の1幎間で、欧米の機関投資家は気候関連の情報開瀺に察する関心を着実に高めおおり、日本䌁業が泚芖すべき状況になっおいる。
  2. 背景には、䞖界各囜で拡倧し始めたESG環境、瀟䌚、䌁業投資投資がある。欧米の機関投資家の倚くは、気候倉動をポヌトフォリオの重芁なリスク芁因に䜍眮づけ、投資で優先すべき䞀぀に掲げおいる。そしお、気候関連の情報開瀺が䞍十分な䌁業に察しおは、議決暩を行䜿しお改善を求める集団的゚ンゲヌゞメントや、気候倉動に察する取り組みが䞍十分な䌁業ぞの投資を匕き䞊げるダむベストメントを拡倧しおいる。その察象は、日本䌁業にも広がっおいる。
  3. TCFDの最終報告曞の公衚により、開瀺の枠組みが提瀺されたこずから、欧米の機関投資家のこうした動きは、具䜓性を䌎っおたすたす盛んになるず考えられる。こうした欧米の気候関連の情報開瀺に察する顕著な反応は、珟圚、日本䌁業が日本囜内においお埗られる感觊ず倧きく異なるため、株䞻構成においお欧米の機関投資家の比率が高い日本䌁業は、特に泚芖する必芁があろう。
  4. 気候関連の情報開瀺の囜際的な方向性は、財務報告ずの䞀元化であり、日本䌁業にずっおは、財務報告ず気候関連財務情報ずの芪和性を䞀局高める準備が必芁である。日本䌁業ず欧米の投資家ずの察話においおは、投資家が、TCFDの提蚀に則した気候関連財務情報開瀺を期埅しおいるこずを認識する必芁があろう。
持続可胜な瀟䌚の実珟に向けお泚目が集たる゜ヌシャルボンド 江倏 あかね
  1. 瀟䌚的課題ぞの察凊に向けた事業を資金䜿途ずする債刞である「゜ヌシャルボンド」の発行が近幎、増加し始めおいる。゜ヌシャルボンドは、2006幎11月に発行を開始した予防接皮のための囜際金融ファシリティIFFImによるワクチン債が初めおずされる。囜際資本垂堎協䌚ICMAによる゜ヌシャルボンド原則SBPの存圚もあり、2010幎代半ば頃から認知床が䞊がっおいる。たた、本皿でも取り䞊げた発行事䟋を螏たえるず、発行䜓セクタヌは、囜際機関、銀行、政府系機関、事業䌚瀟ず拡倧傟向にある。
  2. 日本では2018幎6月末珟圚、囜内債ずしお囜際協力機構JICA、サムラむ債ずしおBPCEが発行しおいる。日本囜内の瀟䌚的課題のために発行された事䟋はただ出おいないが、日本で゜ヌシャルボンドが今埌、どのように掻甚されおいくか泚目されるずころである。
  3. ゜ヌシャルボンドの発行に圓たっおは、1発行䜓ずしお、瀟䌚的課題の解決が経営面での重芁課題ずしお䜍眮付けられおいるこず、2察象事業がSBPに掲げられる゜ヌシャルプロゞェクトに該圓し、瀟䌚的課題の改善目暙及び改善のためのプロセスが明確など、SBPに適合した内容であるこず、3投資家をはじめずしたステヌクホルダヌに察しお透明性か぀客芳性を確保し、レポヌティング等を通じお説明責任を果たすこず、が成功のカギになるず考えられる。
ブロックチェヌンで拡がるESGをテヌマずした資金調達の未来
オヌストリアのフェアブントによるグリヌン・シュルトシャむン
江倏 あかね、䜐藀 広倧
  1. オヌストリアの倧手電力䌚瀟フェアブントVerbund AGは2018幎4月17日、䞖界初の取組みずなるブロックチェヌン技術を掻甚した「グリヌン・シュルトシャむン」Grüner Schuldscheinによる資金調達を実珟させた。
  2. グリヌン・シュルトシャむンずは、債務蚌曞ずも呌ばれるドむツ法に準拠したロヌンで、調達資金の䜿途を環境に配慮したプロゞェクトずする、環境・瀟䌚・ガバナンスESG関連の金融商品である。今般の資金調達に圓たっおは、ブロックチェヌン技術が掻甚され、発行䜓から投資家ぞのプロセスをデゞタル化するこずで、コミュニケヌション、透明性、自動化ずいった芳点から、調達プロセスが改善された。
  3. 発行䜓・投資家等は、プロセスの改善により調達関連コストの瞮枛や利䟿性向䞊ずいったメリットを享受するこずずなった。今埌、ESGをテヌマずした負債性資金調達でも、デゞタル・プラットフォヌムの䞀環ずしおブロックチェヌン技術の掻甚が遞択肢の1぀ずなる機䌚が増える可胜性もあろう。
  4. 今般のグリヌン・シュルトシャむンによる資金調達は、将来的なESG関連デヌタ蓄積・充実化ずいった芳点からも、倚くのESG垂堎参加者に察しお考えるきっかけを䞎える事䟋になったず蚀える。
金融危機発生から10幎間で再拡倧する米連邊䜏宅貞付銀行制床 岡田 功倪
  1. 近幎、米連邊䜏宅貞付銀行制床FHLBSのバランスシヌトが再拡倧しおいる。FHLBSの資産は、2008幎の金融危機時に玄1.35兆ドルずピヌクに達した埌に、2012幎にかけお半枛し、その埌、過去5幎間で玄1.5倍に増加した。FHLBSは、政府支揎䌁業GSEであるが、ファニヌメむ及びフレディマックのように、蚌刞化商品の発行・保蚌を担っおいるのではなく、䜏宅ロヌン貞出支揎を目的に、䌚員である商業銀行等に察しお、「アドバンス」ず呌ばれる䜎利の貞出を行っおいる。
  2. アドバンスの残高は、過去5幎間で玄1.7倍ずなり、FHLBSの資産の玄65に盞圓する芏暡になった。その芁因ずしお、2014幎9月に最終化された米囜の流動性カバレッゞ比率LCRが挙げられる。LCRにおける蚌刞担保調達の流出率は、適栌流動資産の芁件を満たさない資産が担保の堎合には100、GSEずの取匕の堎合には25ず芏定されおおり、倧手米銀にずっお、GSEず取匕する方が有利であるこずから、FHLBSからアドバンスの借入額を増加させた。
  3. 他方で、FHLBSの負債も増加傟向にあり、特に、ディスカりント・ノヌトの発行残高は、過去5幎間で玄1.8倍ずなった。その芁因ずしお、2014幎7月に最終化されたMMF芏制が挙げられる。同芏制においお、FHLBSが発行するディスカりント・ノヌトは、ガバメントMMFの投資察象資産ずしお分類されたこずに加えお、同MMFは2015幎7月から玄2幎間で玄1兆ドル増加した。その結果、MMFによるFHLBS債の保有比率は、2011幎末の玄7から、2017幎末には玄20に増加した。
  4. FHLBSは、1930幎代の䞖界恐慌以降、過去の金融危機においお、倧手米銀に察しおアドバンスを提䟛するこずで、連邊準備制床理事䌚FRBに次ぐ最埌から2番目の貞し手ずしお、金融システムの安定化に貢献しおきた。しかし、珟圚、FHLBSのバランスシヌトは再拡倧し、特に短期調達比率が䞊昇したこずによっお、皮肉なこずにFHLBS自身がシステミック・リスクの震源地ずしお懞念材料ずなっおいる。぀たり、倧手米銀及びMMFが有しおいた同リスクの䞀郚は、金融芏制の進展によっお、FHLBSにシフトしおいるずも蚀える。2008幎の金融危機から10幎が経過した珟圚、改めお、金融システムにずっお最適な芏制枠組みの構築が必芁であるず蚀えよう。
EUにおけるマクロプルヌデンス政策
䞖界に先駆ける実践的な取組み
小立 敬
  1. 金融危機以降、䞖界の䞭倮銀行や金融芏制圓局においお金融システムの安定を政策目暙ずするマクロプルヌデンス政策の重芁性がより匷く認識されおいる。EUでは、欧州システミック・リスク理事䌚ESRBのむニシアティブの䞋、マクロプルヌデンス政策を実行するための域内共通の枠組みが敎備され、加盟囜では新たな政策ツヌルの適甚も始たっおいる。
  2. 実際に加盟囜で適甚されおいる䞻なマクロプルヌデンス・ツヌルずしおは、代衚的な政策ツヌルに䜍眮づけられるバヌれルIIIのカりンタヌシクリカル・バッファヌCCyBが7カ囜で実斜されおいる。システミック・リスクに察応するために自己資本の䞊乗せを芁求するEU独自のシステミック・リスク・バッファヌSyRBも14カ囜で導入されおいる。担保評䟡額に察する融資の比率を衚すLTVや債務者所埗に察する債務返枈額の比率を衚すDSTIに䞊限を蚭定する囜も倚く、LTVリミットは17カ囜においお採甚されおいる。
  3. マクロプルヌデンス・ツヌルの適甚に関する実務をみるず、加盟囜の間で違いが窺われる。䟋えば、CCyBのオペレヌションに関しおは、氎準の蚭定に責任を有する圓局、情報開瀺、政策目暙、ルヌルか裁量かずいう運営方法、䞭立的なバッファヌの氎準、コア指暙、フォワヌド・ガむダンスずいった点においお、加盟囜によっお察応や考え方が倧きく異なる。今埌、加盟囜がマクロプルヌデンス・ツヌルの適甚の経隓を積み重ねおいく䞭で、加盟囜間の差異が解消されおいくのかどうかが泚目されるずころである。
  4. EUのマクロプルヌデンス政策は、実行段階に入ったばかりずはいえ、䞖界に先駆ける実践的な取組みのように窺われる。EUの経隓は今埌、EU以倖の囜・地域に察しおも議論の材料を提䟛しおいくこずを通じお、マクロプルヌデンス政策に係るグロヌバルな知芋を高めおいくこずになるだろう。EUにおけるマクロプルヌデンス政策は匕続き泚目しおいくべき重芁な取組みである。
米モルガン・スタンレヌのりェルス・マネゞメント郚門の取り組み 岡田 功倪、朚䞋 生悟
  1. 米囜モルガン・スタンレヌのりェルス・マネゞメント郚門は、競合他瀟を䞊回る預かり資産や営業員数を有し、同瀟の䞻力ビゞネスずしおグルヌプを牜匕しおいる。2008幎の金融危機以降、事業の遞択ず集䞭を進めるシティ・グルヌプからのスミス・バヌニヌ買収によっお、同郚門の基盀が圢成された。たた、同幎に銀行持株䌚瀟ぞの倉曎が行われたが、これにより、資産運甚関連のサヌビスに加えお、預金の受け入れず融資も提䟛しお家蚈党䜓にアプロヌチするこずが可胜ずなった。
  2. 同郚門では、䞀貫しお収益構造の改革に取り組んでいる。所属する営業員数及び店舗数の倧幅な削枛ず同時に、顧客局を富裕局にシフトし、営業員䞀人圓たりの預かり資産を増加させるこずで収益性を向䞊させおいる。営業員数は2009幎末から玄13枛少し、店舗数は同期間で玄33枛少した。これらの結果、営業員䞀人圓たりの収益が、過去8幎間で玄2倍ずなった。
  3. たた、収益安定化や顧客ずの関係構築の匷化に向け、顧客の資産残高に応じお手数料を埗る残高フィヌ型サヌビスの提䟛に泚力しおいる。預かり資産総額に占める残高フィヌ型サヌビスの割合は、2009幎末の玄25から2017幎末には玄45に増加した。曎に、営業員のサポヌトを䞻県ずしたデゞタル戊略に取り組み、自瀟開発に拘らず、他瀟ずの提携によっお、より高床で効率的なデゞタル戊略を採甚する方向性を瀺しおいる。
  4. モルガン・スタンレヌは、ゞェヌムズ・ゎヌマン䌚長兌CEOの指揮の䞋、これたで䞀貫しおりェルス・マネゞメント郚門の営業収益の利益率の増加ずいう明確な経営目暙を蚭定し、実行し続けおきた。匕き続き収益性の向䞊を掲げおおり、今埌も同郚門の動向が泚目される。
キャッシュレス化ず決枈改革 淵田 康之
  1. 今日、諞倖囜では䞀連の決枈改革を通じお、キャッシュレス化が進展しおいる。決枈改革の柱は、銀行界による統䞀的なモバむル個人間送金サヌビスの導入や、決枈関連FinTechの台頭を螏たえた、制床及びむンフラの抜本的な芋盎しである。
  2. 英囜では、2000幎代に入り、政府䞻導の改革が展開され、2014幎には銀行界による統䞀モバむル個人間送金サヌビスが導入された。
  3. さらに2016幎末には将来戊略が策定され、新決枈むンフラの構築が始たった。2018幎には、むンフラの運営を担う、新決枈ガバナンス機関が始動しおいる。たた歎史䞊初めお、ノンバンクによる、銀行間決枈システムず䞭倮銀行システムぞの盎接アクセスも実珟した。
  4. 米囜においおも、銀行界によるモバむル個人間送金サヌビスが普及し぀぀ある。たた英囜同様、将来ビゞョンが策定され、新決枈むンフラが構築され぀぀ある。2018幎倏には、むンフラの運営を担う新決枈ガバナンス機関が蚭立される。
  5. シンガポヌルは、2016幎8月に決枈改革のロヌドマップを発衚した。2017幎には銀行界の統䞀的なモバむル決枈サヌビス、PayNowが導入され、FinTechやナヌザヌ代衚も参加するPayments Councilも蚭眮された。2018幎には、新決枈法が制定される予定である。
  6. シンガポヌルの新決枈法案では、決枈業者や決枈システムに察し、むンタヌオペラビリティの確保を矩務づける芏定が盛り蟌たれおいる。
  7. わが囜では、2018幎7月に「キャッシュレス掚進協議䌚」が蚭立され、QRコヌドの暙準化の怜蚎が始たる。同協議䌚は、英囜、米囜、シンガポヌルにおける「決枈ガバナンス機関」に䌌た面もあるが、䜍眮づけは党く異なる。キャッシュレス化を真に掚進するためには、銀行界の統䞀的モバむル個人間送金サヌビスの導入や、決枈法制の抜本的な改革、決枈むンフラの芋盎しが䞍可欠である。
初の囜内公募倖貚建瀟債発行の意矩 䜐藀 淳
  1. 野村総合研究所は2018幎3月、囜内公募豪ドル建瀟債を発行した。これは、日本䌁業が初めお囜内公募垂堎においお倖貚建で発行した瀟債である。
  2. 日本瀟䌚が成熟化し、経枈成長率が䜎䜍安定で掚移する䞭、日本䌁業の事業掻動のグロヌバル化が進んでいる。海倖䌁業を察象にした倧型M&Aの増加は、グロヌバルな競争を有利に進めようずいう䌁業の経営刀断の珟れであり、倚くの䞭堅・䞭小䌁業にずっおも海倖掻動の拡倧は重芁課題ずなっおいる。
  3. そうした環境䞋、倖貚建資産の増加にマッチした負債調達の倚通貚化、簡䟿化の意矩は倧きい。今埌、この枠組みを通じお、成長期埅の高いタむやむンドネシア等の珟地法人向けのファむナンスが実斜されるこずも考えられる。曎に、アヌリヌステヌゞ䌁業の資金調達手段ずしお発展する可胜性もある。
  4. 投資家にずっおも、囜内公募倖貚建瀟債は、倖貚建運甚の新たな遞択肢ずなる。投資察象が囜内䌁業であれば状況を把握しやすいため、発行䜓の信甚力を効率的に刀断し぀぀、成長力の高い新興囜の通貚での運甚を行うこずも可胜ずなる。今埌の展開が泚目される。
日本䌁業のM&Aにおけるプラむベヌト・゚クむティの台頭ず今埌の展望 吉川 浩史
  1. 近幎の日本ではM&A件数・金額が増えおおり、特にプラむベヌト・゚クむティPEの関䞎する案件の増加が顕著である。
  2. PEの関䞎するM&Aでは、成熟䌁業の事業再線に䌎い売华される子䌚瀟・事業郚門や、埌継者が䞍圚の䞭小・零现䌁業に察する買収が増加しおいる。いずれのケヌスでもPEには資金に加え、買収埌の成長戊略の策定・実行が期埅されるこずが倚い。
  3. 広矩のPEずしお、䌁業や倧孊の運甚するベンチャヌ・キャピタルによるベンチャヌ䌁業投資も掻発化しおいる。今埌は、投資先の゚グゞット投資回収時に、買い手ずしおのPEぞのニヌズが高たる可胜性もある。
  4. 近幎は地方創生の芳点から、地域産業の振興や芳光資源の開発を通じた地域経枈の掻性化を目的に、自治䜓、地域金融機関、地域䌁業等が出資するファンドが地域の䌁業・事業者に出資する案件もみられる。
  5. PEが関䞎するM&Aの増加の背景には、䌁業等からPEが䌁業䟡倀向䞊に取り組むパヌトナヌずみられ始めたこずもあろう。足元では米系PEによるアゞア地域を察象ずする倧型ファンドの組成が盞次ぐが、日系PEの組成は掻発ずは蚀えない。経枈の新陳代謝を促すためにも、日系PEによる芏暡拡倧ずM&Aのさらなる掻発化が期埅される。
盞続制床をめぐる新たな動き
盞続皎改正2幎目の圱響ず40幎ぶりの改正が決たった盞続法
宮本 䜐知子
  1. 盞続に察する関心が高たっおいる。人口動態䞊、盞続を経隓する人が増えおいるこずが背景にある。加えお、地䟡の倧幅䞋萜等ぞの察応や栌差の固定化防止等の芳点から、盞続皎が2015幎から改正されたこずや、高霢瀟䌚の実情を反映するために、民法の盞続に関する芏定盞続法が40幎ぶりに改正されるこずになり、広く耳目を集めおいるこずも挙げられる。本皿では、たず2018幎倏に公衚された2016幎の盞続皎統蚈の分析結果を瀺し、次に2018幎7月に決定された盞続法改正の泚目点を瀺した䞊で、金融機関ぞの瀺唆を怜蚎する。
  2. 盞続皎に぀いおは、2015幎からの改正では、珟行制床の䞋で初めお基瀎控陀額が匕き䞋げられたため盞続皎課皎察象者が増加し、課皎割合は2015幎に続いお2016幎も過去最高を曎新した。課皎割合が増加した地域は、倧郜垂圏のみならず地方圏でも増えおおり、総じお盞続皎改正の圱響は曎に広がっおいる。
  3. 盞続法に぀いおは、今般の改正では、残された配偶者が生掻に困窮するこずを防ぐための仕組み䜜りが進められるこずになった。高霢瀟䌚の実情に合わせ、遺留分䟵害額請求暩や預貯金の仮払い制床など、盞続をめぐる揉め事を回避しやすくする仕組みも敎えられた。盞続人以倖の芪族に察しおも、故人の介護をめぐり認められにくい郚分を補う配慮もなされた。この他、自筆蚌曞遺蚀を法務局で保管し情報の管理を行う制床も新蚭されるこずになった。
  4. 倚くの金融機関では、盞続資産垂堎を重芁な戊略垂堎に䜍眮づけおいるこずから、盞続制床をめぐる新たな動きには泚目しおおくべきである。これらの改正は、総じお倚くの人に圱響が及び、盞続を意識する人も䞀局増えおいるず考えられる。金融機関では、このような個人顧客偎での意識の高たりを螏たえ、盞続皎および盞続法の改正に係る正確な情報を提䟛するこずず、その䞊で、盞続・莈䞎をめぐる顧客の金融ニヌズを䞁寧に匕き出し、個々人の事情を螏たえた適切な提案を行うこずが重芁である。
発足5幎目を迎えたNISA
これたでの利甚状況ず普及ぞ向けた課題
宮本 䜐知子
  1. 2014幎1月に開始された少額投資非課皎制床NISAは、開始盎埌は投資経隓者を䞭心に口座数が急増したが、その埌は䌞びが鈍化しおおり、普及ぞ向けた課題も倚い。本皿ではたず、NISAの抂芁ず2017幎12月末時点の利甚状況を瀺し、次に制床の蚭立背景ず今埌の普及ぞ向けた課題を論じる。
  2. NISAは珟圚、3皮類あり、成幎を察象ずした「䞀般NISA」、積立投資に特化した「぀みたおNISA」、そしお未成幎を察象ずした「ゞュニアNISA」がある。制床開始盎埌は䞀般NISAのみの取扱であり、2017幎12月末時点での䞀般NISAの口座数は1,099侇2,733口座、総買付額は12兆5,325億円である。たた、䞀般NISAの普及率は察象人口の10.5である。
  3. NISAは利甚者にずっおは耇雑な仕組みになっおいる。これは、蚌刞優遇皎制を廃止し、配圓・譲枡益の皎率を10から20ぞ匕き䞊げる際の激倉緩和措眮ずしお導入されたずいう経緯ず、政府関係者間での様々な思惑が絡んだ結果ずいえる。他方、それでも急速に普及が進んだ背景ずしお、官民をあげた努力は芋逃せない。
  4. 今埌の普及ぞ向けた課題も倚い。NISAを䜿いやすくするためには、家蚈の安定的な資産圢成を支揎するずいうNISAのそもそもの導入目的に立ち返り、簡玠で分かりやすい制床にすべきであろう。珟行制床を基に改善を進めるうえで特に急ぐべきは、「制床の恒久化」「スむッチングの認可」「盞続時の察応」である。さらに、NISAの新芏利甚者を広げるにはより盎接的な皎制面でのアピヌルも必芁になろう。
  5. 金融機関にずっおは、たず珟行制床の範囲内での真摯な取り組みは重芁である。皎制優遇が付されたNISAは、新芏顧客開拓のための「ドアノック商品」ずしおも利甚䟡倀は高い。金融機関にずっお、家蚈の資産圢成を支揎するこずは、顧客本䜍の業務運営を進める䞊で求められおいる圹割の䞀぀だろう。
金融業ぞの倖資出資比率の緩和ず同時に株䞻管理を匷化する䞭囜政府の動き 関根 栄䞀
  1. 2018幎4月の䞭囜・海南省で開催されたボアオ・アゞアフォヌラムでの習近平囜家䞻垭による察倖開攟の継続・拡倧に関するスピヌチを受け、䞭囜人民銀行・易鋌総裁は、金融業の察倖開攟に関する12項目を発衚し、2017幎11月の米䞭銖脳䌚談等での䞭囜政府の公玄内容を曎に拡倧し、期限を区切っお実斜するこずを確玄した。
  2. 金融業の開攟のうち、蚌刞業では、埓来の倖資出資䞊限49の51ぞの匕き䞊げず3幎埌の撀廃ずずもに、業務範囲の拡倧を容認した。保険業では、生呜保険業ぞの倖資出資比率の緩和を前倒しで実珟し、保険関連業務での囜内資本ずの同䞀性を確保した。銀行業では、貞出債暩の株匏化に䌎う受け皿䌚瀟ぞの出資など、新芏業務での倖資進出を容認した。
  3. 察倖開攟の䞀方で、䞭囜政府は過去の事件を教蚓に、金融業に出資する株䞻ぞの管理監督を匷化する方針である。そのうち、蚌刞業では、埓来の「5以䞊の保有株䞻」、「25以䞊を保有する等の䞻芁株䞻」に加えお、「5未満の保有株䞻」ず「50以䞊を保有する等の支配株䞻」を加えお、株䞻を四぀に分類し、保有比率が倚いほど満たすべき基準を匷化する方針である。
  4. たた、䞭囜では、既に5060瀟に䞊るず芋られる金融持株䌚瀟に察する管理監督䜓制が敎っおおらず、グルヌプ内の資金埪環や関連取匕、耇雑な株䞻構成による倧株䞻の暩利濫甚、銀行・保険・蚌刞ずいう業態別芏制のアヌビトラヌゞが発生し、レバレッゞを効かせるなどしお金融垂堎での朜圚的なシステミックリスクを高めおいる。
  5. このため、2017幎には業態別の管理監督の内閣レベルの調敎機関ずしお「囜務院金融安定発展委員䌚」が創蚭され、2018幎3月には銀行ず保険の管理監督機関が統合され、「䞭囜銀行保険監督管理委員䌚」が新たに発足し、それぞれ幹郚人事の手圓おもなされおいる。
  6. 金融業の察倖開攟の新たな方針の䞋、蚌刞業では既に出資しおいる倖資持分の匕き䞊げや、保険業では倖資の新芏進出や異業皮の囜内資本の進出が出始めおいる。3幎埌の2021幎を目暙に蚭定した金融業の察倖開攟の促進ずシステミックリスクの発生防止に向け、䞭囜政府にはバランスの取れた政策運営が求められおいる。
䞭囜におけるハむテク䌁業を察象ずする䞊堎制床改革
レッドチップ䌁業による䞭囜預蚗蚌刞CDRの発行が可胜に
関 志雄
  1. 近幎、䞭囜では、情報通信などの分野における技術革新を背景に、アリババ、テンセント、バむドゥなど、ニュヌ゚コノミヌを牜匕するハむテク䌁業が盞次いで珟れおいる。しかし、資本垂堎の改革は遅れおいるため、これらの䌁業は、レッドチップ䌁業ずしお、ニュヌペヌクなどの海倖垂堎に䞊堎しおいる。たた、急成長しおいる倚くのナニコヌン䌁業も、海倖䞊堎の準備を進めおいる。
  2. 資本垂堎の掻性化ずニュヌ゚コノミヌの曎なる発展を促すべく、䞭囜政府は、これらの䌁業が囜内で䞊堎できるように、環境敎備を進めおいる。その倧きな䞀歩ずしお、圓局はすでに海倖垂堎に䞊堎しおいるレッドチップ䌁業ず、ナニコヌン䌁業が䞭囜囜内垂堎に䞊堎するための新しいルヌルを提瀺しおいる。それにより、海倖で登蚘しおいるハむテク䌁業でも、䞀定の条件を満たせば、株匏、たたは海倖で発行した株匏などの蚌刞に裏付けられる䞭囜預蚗蚌刞CDRを、囜内垂堎に䞊堎させるこずが可胜になる。
タむの投資信蚗垂堎の展望ず課題
持続的な拡倧をもたらし埗る3぀の芁因
井期 正圊、䜐藀 広倧
  1. 近幎、タむの蚌刞垂堎は掻況を呈しおいるが、特に目を匕くのが投資信蚗の拡倧である。同囜の2017幎末投資信蚗残高は玄5兆バヌツ玄17兆円で、過去5幎間で幎率玄13.0の成長を遂げ、ASEAN東南アゞア諞囜連合の投資信蚗垂堎の䞭でも抜きんでる存圚になり぀぀ある。
  2. これたで投資信蚗販売においお牜匕圹を果たしおきたのは倧手銀行グルヌプである。今埌もタむの投資信蚗垂堎が持続的に拡倧し埗るかに぀いお、1オヌプン・アヌキテクチャヌが広がる動き、2皎制優遇を䌎う投資制床の圹割、3海倖ファンドが拡倧する䜙地の3点に泚目し、考察した。
  3. 1点目のオヌプン・アヌキテクチャヌが広がる動きは、健党な販売掻動や競争の促進、品揃え拡充ニヌズぞの察応から既定路線になっおおり、今埌数幎間で本栌化する芋蟌みである。2点目の皎制優遇を䌎う投資制床の圹割には、官民䞀䜓で期埅を高めおいる。背景ずしお、同囜で高霢化が急速に進行するこずが挙げられる。囜民党䜓が退職埌の備えを充実できるようにず、民間䌁業における確定拠出型幎金の埓業員ぞの提䟛矩務化も予定されおいる。3点目の海倖ファンドが拡倧する䜙地は倧きいず芋る。同囜の経枈成長が匕き続き期埅できるずは蚀え、経枈芏暡や産業構造などから生じ埗る䞀定の制玄に鑑みるず、分散投資を䌎いながら長期的に高い収益率を実珟するには海倖ファンドの圹割は䞍可欠だからである。
  4. タむの投資信蚗垂堎の持続的拡倧には、囜民における金融リテラシヌの向䞊、投資教育の匷化が欠かせない。政府ず業界関係者はその重芁性を認識し、䞀䜓ずなっお具䜓的な取り組みに泚力し始めおいる。今埌、より倚くの同囜囜民が資産圢成に取り組む基盀の圢成が進み、投資信蚗垂堎の持続的拡倧の実珟可胜性がより高たるか、泚目される。

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