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野村資本市場クォータリー 2018年冬号
バーゼル委員会による信用リスクの標準的手法の見直しの最終化
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磯部 昌吾
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- バーゼル委員会は、2017年12月、バーゼルIII最終化に係る規則文書を公表し、自己資本比率の分母であるリスクアセットの計算の改定を含む、一連の自己資本規制の見直しを最終化させた。
- リスクアセットの計測を巡っては、内部モデル手法を使用した計測に、銀行間でばらつきがあることが課題視されたことから、バーゼル委員会は、内部モデル手法を見直すとともに、標準的手法を、内部モデル手法に対する一定の下限(アウトプット・フロアー)として利用し、内部モデル手法を使用できない場合には代替手法として使用できるよう、標準的手法の見直しを行った。具体的には、信用リスクの標準的手法においては、「エクスポージャー×リスクウェイト(RW)」という信用リスクアセット計算の枠組みを変えずに、主にRWを改定してリスク感応度を高めることで、計測手法の改善を図っている。
- バーゼル委員会の定量的影響度調査によると、今回の見直しによって信用リスクの標準的手法の平均RWはあまり変化しないものの、個別に見ると、株式や劣後債の平均RWが大きく引き上がる一方、居住用不動産や中堅・中小企業向けエクスポージャーの平均RWが低下する。わが国の銀行について見れば、株式保有や、担保評価額に占める貸出額の割合(LTV比率)が高い住宅ローンが多いという特徴から、グローバルな影響とは異なる部分もあるだろう。
- 信用リスクの標準的手法の見直しは、他のリスク・カテゴリーの見直しと共通して2022年初から適用が開始されることから、国内法制化の順序・時期次第では、実施間際に対応作業が集中する可能性も想定されるだろう。他方で、一部には経過措置が設けられており、標準的手法の見直しが完全に効力を持つのは2027年である。今回の見直しを踏まえて銀行が資産構成を考える際には、かなり長期の目線で見ていく必要があるだろう。
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