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野村資本市場クォータリー 2018年冬号
ハリケーンとプエルトリコの財政再建の行方
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江夏 あかね
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- 米国の自治地域(コモンウェルス)で財政危機に陥っているプエルトリコには2017年9月、複数のハリケーンが到来し、甚大な被害が及んだ。プエルトリコは、約1,220億ドルの債務残高を抱えており、裁判所の関与の下で債務再編を目指している最中である。
- プエルトリコ債は、ハリケーン・マリアの来襲以降、回収率に対する債権者の懸念が高まり、パフォーマンスが悪化していたが、トランプ大統領がプエルトリコの債務を「帳消し」(wipe out)にする可能性を示唆したことを受けて、価格が大幅に下落した。しかし、「債務帳消し」については、特別の立法措置でも講じない限り、実現可能性はほとんどないと言える。
- プエルトリコの場合、財政悪化が進む中で公共投資や警察・消防の人員を大幅に絞り込んでおり、今般の災害からの復旧・復興プロセスの遅延が懸念されている。連邦レベルでは、プエルトリコを含めたハリケーン被災地域全体を対象とした災害救済法が成立し、財政支援が実現する見込みだが、連邦政府のこれまでのスタンスに鑑みると、被災以外の部分について連邦政府がプエルトリコに対して財政支援を行う可能性は極めて低いとみられる。
- プエルトリコの復旧・復興プロセスの遅延が続けば、信用力及び想定回収率がさらに低下することもあり得る。そのため、連邦政府による復旧・復興に向けた支援が迅速かつ十分に行われるか否かが、プエルトリコの債務再編及び経済・財政再建のカギを握ると言えよう。
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